東洋経済CSRデータの詳細分析で判明!「女性が活躍する企業」はここが違う《第4回・最終回》 女性管理職の活躍で生産性は上昇、収益性も高まる

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 女性役職者が活躍するためには、女性従業員の多様な働き方に応じて、キャリアを形成することが可能となるような職場環境の整備が欠かせないといえるであろう。

以上の議論を踏まえて、ここでは、11年度決算時点における企業の収益性と女性従業員の活躍との関係について分析を行う。まず、『CSR企業総覧』2012年版の上場企業(除く金融業)について、女性従業員が活躍する企業とそうでない企業における収益性(ROA:利益÷総資産)の差を確認する。分類する指標は、女性採用者比率、女性従業員比率、女性管理職比率を用いる 。

次に、収益性の違いが人件費の違いによるものであるかを確認するために、労働分配率の差を確認する。労働分配率とは、付加価値に占める人件費の比率のことで、ここでは人件費÷(営業利益+受取利息+人件費+減価償却費+役員報酬)として計算した。

たとえば、女性従業員が活躍する企業の収益性が高く、労働分配率が低い場合は、「収益性の高さは人件費が低いことによる」と推察できる。他方、収益性も労働分配率も高ければ、「女性従業員が活躍することによる生産性の上昇が収益性を高めた」と推察できる。

図表1に示す収益性の違いについて見ると、女性採用者比率の高い企業は、低い企業との差がわずか0.4%とほぼ変わらない。女性従業員比率についても0.8%の差にとどまる。一方、女性管理職比率の高い企業は、女性管理職比率の低い企業に比べて2.4%高くなっており、明確な差が認められる。

図表1 収益性(ROA)の平均値の比較

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