「一流の気づかい」はANA社員に学べ!

目立たない気づかいこそが「金」

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人は、自分が人のためと思って行うことに対して、つい「見返り」を期待してしまうものです。たとえば、職場のシュレッダーが刻んだ紙でいっぱいになっていることに気づいたので、それを片づけて掃除したとき、まわりの誰かから「きれいにしてくれてありがとう」と言われるかもしれませんし、言われないかもしれません。それでいいのです。

誰も見ていなくても、シュレッダーがいっぱいなら、片づける。人に気づかれても気づかれなくても、つい行動に移しているような気づかいこそが“金”というわけです。

では、ANAの社員が具体的にどのような気づかいをしているのか、特徴的なものを3つご紹介します。

1:「水がほしい」の“その先”を読む

お客様から自分に対して「これがほしい」とか「こうしてほしい」と要望があったとします。たいてい、そうした言葉には“その先”の要望が隠れています。

たとえば、あるお客様が「水がほしい」と伝えたとします。しかし、テーブルに水が置かれたからといって、その人の目的が達成されるわけではありません。のどの渇きを潤すために水を飲むことが目的かもしれませんし、あるいは薬を飲むことが目的かもしれません。はたまた、シャツについた食べ物の汚れを落とすことが目的かも……あらゆる可能性が考えられます。

しかし、9割のお客様は、「水を持ってきてくれれば、あとは自分でやるから」と、本当の目的までは口に出しません。その人にとっての本当の目的はなんなのか。これを突き止めて、それに応えることがお客様への気づかいにつながります。

お客様が本当はなにを求めていらっしゃるのか。その見極めの基本は、とにかくよく観察することです。

「上着を脱いで、シャツの首のボタンまで外している。この方はきっと暑いんだろうな」
「お食事後、あの方はカバンの中に手を入れて何かを探していらっしゃる。お薬をお飲みになりたいのかも」
「さっきから何度か咳払いをなさっている。のどの調子がよくないのかもしれない」

 

その人をジロジロと凝視することは、相手に不快感を与えてしまうのでしません。しかし、側を通るときなどに気をつけて観察していると、お客様のちょっとした変化や行動から、その人が求めていることがわかってきます。

そして、そのお客様が「あの、お水がほしいんですけれど」とおっしゃれば、

「機内は少し暑いでしょうか。冷たいお水とおしぼりをお持ちしましょうか」
「お薬をお飲みになりますか」
「のどのご調子、いかがですか。のど飴もお持ちいたしますね」

 

などと、観察したことをもとに「本当はなにを求めているのか」をさり気なく確認してみるのです。すると「ああ、よくわかったね」と驚きとともに喜ばれることもあります。

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