カピバラ、チンパンジーで著名な「伊豆シャボテン公園」の競売開始決定に、運営元ソーシャル・エコロジーが執行異議申し立て

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構図は複雑だが、ソーシャル・エコロジーにとって、競売を阻止できる否かは大問題だ。ケプラム社が競売を申し立てた不動産には、伊豆シャボテン公園をはじめ、ソーシャル・エコロジーの主柱であるレジャー事業の中核資産が含まれる。同社の前12年3月期の売上高が21億円、営業利益が2000万円の赤字であったのに対し、レジャー事業の部門売上高は19.6億円、部門営業利益は2300万円の黒字であり、まさに大黒柱。これに対して、レジャー事業進出前からの継続事業である映像・音盤関連事業は、前期の部門売上高が1.3億円、部門営業利益が3600万円の赤字と冴えない状況が続いている。

レジャー事業の中でも、伊豆シャボテン公園は園名の由来でもある1500種類ものサボテンや多肉植物に加え、南米産のネズミの仲間「カピバラ」や、豪州産の有袋類「ワラビー」「クロカンガルー」、さらには「チンパンジー」などの動物も多数飼育。「天才!志村どうぶつ園」「メレンゲの気持ち」といったバラエティ番組でしばしば紹介されるなど、いまや同社のシンボルともいえる存在だ。

競売にかかわる訴訟は、場合によっては年単位の時間がかかることもある。訴訟が継続している間は、伊豆シャボテン公園などソーシャル・エコロジーが運営するレジャー施設の営業は通常どおり行われるとのことだが、弁護士費用など訴訟費用が発生することなどもあり、今期業績に対する影響は「現在精査中」という。

全施設合計で年間130万人前後の入園者数を誇り、地元・伊東市の観光に寄与する中核施設であるだけに、訴訟の行方が注目されそうだ。

(大滝 俊一 =東洋経済オンライン)

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