東京地検の新トップ「特捜部は変化に対応を」 取り調べの可視化が進んでも真相解明は同じ

思い入れがあったのはイトマン事件
――検事正就任の抱負は。
責任の重大さを痛感している。
――特捜時代に印象に残っている事件は。
すべての事件に思い入れがあるが、一つ上げるとすれば、大阪地検で手掛けたイトマン事件。戦後最大の経済事件で、世間の耳目を集めた。(立件するのに)1年くらいかかった。警察と証拠の差し押さえを共同で行い、ブツ読み(=押収物をしらみつぶしに調べること)の班長として、警察官と1カ月以上、一緒にブツ読みをした。そのときの警察官とはとても親しくなり、その後も励まし合うなどした。膨大な量のブツ読みをしても、それを従来のように手書きでメモしていったのでは、その後に検索が効かない。そこでパソコンを何台か入れて、ブツ読みの成果を電子データ化した。おそらくはこれが電子化の第1号ではないか。
――現在の特捜部に期待することは。
社会の変化に対応する特捜部になってほしい。真相を解明するのは容易なことではないが、実力を備えてもらうことが大事だ。
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