東京地検の新トップ「特捜部は変化に対応を」

取り調べの可視化が進んでも真相解明は同じ

記者会見する新検事正の八木氏。現在の特捜部から、取り調べの録音・録画まで、率直な感想を語った
東京地方検察庁は12月11日、トップ人事に当たる検事正の就任会見を行った。新しい検事正は八木宏幸(やぎ・ひろあき)氏。1956年6月9日生まれの59歳だ。
大阪府出身で、中央大学法学部を卒業後、大阪地方検察庁に入庁。特別捜査本部(いわゆる特捜部)に、大阪と東京で15年勤務。特捜時代は、被疑者の自白をとるのがうまく、「割り屋」の異名をとった。イトマン事件や大手証券の総会屋への利益供与事件を手掛けたことでも知られる。2012年に最高検察庁の公安部長、2014年に同庁刑事部長を歴任。以下は記者会見での一問一答である。

思い入れがあったのはイトマン事件

――検事正就任の抱負は。

責任の重大さを痛感している。

――特捜時代に印象に残っている事件は。

すべての事件に思い入れがあるが、一つ上げるとすれば、大阪地検で手掛けたイトマン事件。戦後最大の経済事件で、世間の耳目を集めた。(立件するのに)1年くらいかかった。警察と証拠の差し押さえを共同で行い、ブツ読み(=押収物をしらみつぶしに調べること)の班長として、警察官と1カ月以上、一緒にブツ読みをした。そのときの警察官とはとても親しくなり、その後も励まし合うなどした。膨大な量のブツ読みをしても、それを従来のように手書きでメモしていったのでは、その後に検索が効かない。そこでパソコンを何台か入れて、ブツ読みの成果を電子データ化した。おそらくはこれが電子化の第1号ではないか。

――現在の特捜部に期待することは。

社会の変化に対応する特捜部になってほしい。真相を解明するのは容易なことではないが、実力を備えてもらうことが大事だ。

次ページ被疑者に話してもらう極意はない
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 日本と中国「英語教育格差」
  • 検証!ニッポンの労働
  • 岐路に立つ日本の財政
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
文具業界を揺るがす動乱<br>「コクヨvs.プラス」の全真相

昨年末のぺんてる株をめぐる文具2強によるプロキシーファイト(委任状争奪戦)。両社のバトルには、8月に設立したプラスの卸子会社が2年前の計画で一度頓挫していたことにも伏線が。縮小する文具業界再編をめぐる壮絶な主導権争いに迫ります。