日米株価が堅調なのは、最長でもあと2週間だ

「過去の動き」から見えてきた今後のシナリオ

これまでドル高により割安圏で放置されてきた資源国通貨の上昇が顕著になれば、他の資源国・新興国通貨の動きにも影響が出るだろう。金価格が下げづらくなっているのは、その影響があるのかもしれない。過去の米利上げ局面では、金価格は利上げの1カ月前に底値をつける傾向がある。今回もほぼ同様のタイミングで安値をつけているが、過去の動きを踏襲するのであれば、すでに底値をつけたと判断できるだろう。

このような動きを見ると、市場に一定の変化が見られると考えに至るのが自然だ。また、4日開催のOPEC総会では、いまのところ減産合意の可能性は低いもよう。減産見送りとなった場合でも、市場のショックは限定的であろう。しかし、利上げを前後にドル相場に変化が見られれば、話は違ってくる。ドル安が原油相場の底打ちにつながり、これが株式市場に相応の影響を与えるリスクを念頭に入れておきたい。

ドル反落、株価調整、コモディティ復権

日米ともに株価は堅調さを維持しているが、これは本欄でも繰り返しているように、米利上げ前に堅調になる過去のパターンを踏襲した動きであろう。つまり、株価の堅調さは最大でもあと2週間ということになる。その後は一定幅での調整が入ることになる。

筆者は米利上げ後にドルが下落する可能性を繰り返し指摘しているが、専門家の多くは「今回は違う」として、今後も引き続き円安基調が続くとの見方が多いと聞く。もちろん、市場に「絶対」はなく、どのような展開になるかはわからない。このようなとき、筆者は過去の値動きを重視するスタンスを取る。「歴史は繰り返される」のであり、これはマーケットでも同じことが言える。

ここまでの市場動向は、本欄で示してきた見通しの通りである。それは、過去の動きを今回の展開に当てはめたからである。重要なことは、市場動向に振り回されないことである。歴史は繰り返されることを前提に考えたい。そうすれば、「ドル反落、株価調整、コモディティの復権」とのシナリオに至り、実際にそうなったとしても慌てる必要がない。

変化のきっかけとなる最初のポイントが3日のECB理事会であり、第二のポイントが4日の11月の米雇用統計とOPEC総会、そして最終ポイントが16日のFOMCである。今後2週間の市場動向次第では、投資家は楽観的になるかもしれない。しかし、上記のような過去の動きをまずは念頭に入れた上で、慎重に行動することが肝要だ。

今後1週間(3日~9日)の日経平均株価の予想レンジは、1万9550円~2万0100円としたい。

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