イスラエル駐日大使が語るイラン攻撃の論理とは?「ハメネイ師はユダヤ人抹殺を掲げる現代のヒトラーだった」

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――イラン体制は指導者を殺害しても強固なままだ。新政権が親イスラエル、親西側になるとは限らない。

イランの体制がどうなるかはわからない。今の体制が悪いことはわかっている。イラン人は偉大な国民であり、彼らの選択だ。彼らは自由を望んでいる。特に女性は自由を欲しており、人間として扱われたいと思っている。スカーフをつけていないことを理由に打擲(ちょうちゃく)されたくない。

――イラン攻撃により、世界秩序が不安定化したのは否定できないのではないか。

世界秩序とは何か。あなたの言う世界秩序とは何でもうまくいっている、という夢想の世界だ。

しかし、その夢想の世界でイランは、イスラエル人を、単にイスラエル人であることを理由に殺すための兵を送っている。

イランに支援されたイスラム組織ハマスは、2023年10月7日にイスラエルを侵略し、約1200人を殺害した。赤ん坊を焼き殺し、母親を強姦した。(イラン最高指導者だった)ハメネイ師はユダヤ人抹殺を掲げる現代のヒトラーだった。われわれは自国民を守るために行動しなければならない。

「時間はかかるし時に忍耐が必要」

――すでにイラン攻撃開始から約1カ月が経ったが、誤算はなかったのか。攻撃はトランプ氏とネタニヤフ・イスラエル首相との間で十分調整し、共通の目標などを決めていたのか。

驚嘆すべき達成があった。イランの海軍、空軍、ミサイル防衛システムを壊滅した。アメリカとはよい協力関係を築いている。

しかし、イランはイスラエルの80倍の国土だ。時間はかかるし時に忍耐が必要だ。最終的にはイスラエルからだけではなく自由世界から脅威を除去したい。

イランは4000キロメートル離れたインド洋の英国領ディエゴガルシア島にミサイルを発射したが、この射程には欧州やインドが入る。(イスラエルとアメリカが)やろうとしたことは、イランが脅威を与えないようにすることだ。イランに死を、と叫ぶわけではない。トランプ氏は4~6週間かかると言ったはずだ。誰も無期限の戦争をしたいわけではない。

――これだけ激しく空爆して、なぜミサイル能力を奪うことができないのか。

すでに言ったように、地下の防空壕に隠してあるからだ。アメリカ、イスラエルは何千回という攻撃を行ったが、すべてのミサイルを破壊することは不可能だ。しかし劇的に発射能力を削減することができる。

ミサイル製造能力も攻撃し、実際、発射能力は減衰している。ミサイルのうち少数はイスラエルに到達したが、何千回とあったドローン攻撃はすべて撃退した。

――イスラエルはウクライナからドローン対処などの協力を受けているのか。

その点は、私は日本にいるので語れないが、ウクライナを攻撃しているドローンはイラン製だ。ドローンを除去することによってウクライナ防衛を助けていることになる。自由世界は団結し、共通の脅威に対して立ち向かわねばならない。

イスラエルとアメリカはあらゆる国のため、日本のためにも戦っている。日本が、イランの核兵器保有は許されないこと、ホルムズ海峡の開放、石油精製施設への攻撃停止などを求めたこと、歴史の正しい側に立ったことに深く感謝、評価したい。

過酷な安全保障環境に置かれているイスラエル。コーヘン駐日大使は多弁にイスラエルの正当性を主張する。その主張の詳細は【イスラエル駐日大使が語る攻撃の論理とは?「平和を望むなら強くなければならない、誰からも攻撃されないよう強くなる」】をご覧ください。
三好 範英 ジャーナリスト

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みよし のりひで / Norihide Miyoshi

1959年東京都生まれ。東京大学教養学部卒。1982年読売新聞社入社。バンコク、プノンペン、ベルリン特派員。2022年退社。著書に『ドイツリスク』(2015年山本七平賞特別賞受賞)『メルケルと右傾化するドイツ』『本音化するヨーロッパ』『ウクライナ・ショック 覚醒したヨーロッパの行方』『移民リスク』など。

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