イスラエル駐日大使が語るイラン攻撃の論理とは?「ハメネイ師はユダヤ人抹殺を掲げる現代のヒトラーだった」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
Gilad Cohen(ギラッド・コーヘン)/駐日イスラエル大使。1967年生まれ。国連イスラエル政府代表部政務参事官、イスラエル外務省アジア太平洋担当次官補などを経て、2021年10月から現職(撮影:今井康一)

2月28日に始まったアメリカとイスラエルによる対イラン攻撃は、攻撃の正当性をめぐる議論や石油価格の高騰など世界中に大きな衝撃を与えている。

批判も強い中で、攻撃を続けるイスラエルの論理はどういうものだろうか。ギラッド・コーヘン駐日イスラエル大使に聞いた。インタビューは在京イスラエル大使館の申し出により、3月26日に行った。

「1月8日に大虐殺があった」

――トランプ米大統領による戦闘終結に向けた15項目提案(3月24日イスラエルメディア報道)をどう受け止めるか。

15項目はイスラエルが長い間主張してきた条件で、完全に理にかなっている。(核兵器級に近い)濃縮度60%ウラン廃棄、ミサイル開発中止、テロ組織への支援停止などだ。イランのメディアによるとイランは拒否するらしいが。

――イスラエルのイラン攻撃の目的はイランの体制変更なのか。

昨年6月のイランとの「12日間戦争」で核濃縮はやめろというメッセージを送った。しかし、イランはまったく逆のことをした。攻撃されることがわかり、ますます地下深くで、核兵器、ミサイル開発を促進した。諜報によりそのことがはっきりした。われわれは手遅れにならないうちに攻撃した。

北朝鮮核開発に関する1994年の米朝枠組み合意を見れば、外交がもたらしたのは(北朝鮮の核兵器保有という)結果だ。79年のイスラム革命以来、イランが「アメリカ、イスラエルに死を。イスラエルを世界地図から抹消しろ」と言い続けていることと、核開発を考えればほかに手段はない。

1月8日には、イラン当局による自国民に対する、人間の歴史でも最もひどい虐殺があった。トランプ氏によると、3万人が虐殺されたという(注:米タイム誌もイラン高官の発言を引用し、その可能性を報道)。しかし、日本をはじめ世界のメディアは十分に報道していない。パレスチナ自治区ガザ(でのイスラエル軍による民間人殺害)となると1日中でも取り上げる。これは偽善だ。

体制変更はイラン国民の判断だが、体制が変われば世界はもっとよい場所になるだろう。平和の価値を守る新しいイランの指導者たちが生まれるだろう。公式に体制変更が戦争目的と言ったことはないが、イラン国民のために新しい政府を発足させる条件を作り出せれば、と考えている。

次ページイランの女性は自由を欲している
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事