春節の「中国人インバウンド」は激減…それでも日本にやって来る個人旅行客の胸の内。中国人旅行者はパンダ・レアアースと並ぶ外交カードに
昨年12月から今年1月にかけてロシア、トルコ、フィリピン、ブラジルが中国人に対するビザ免除政策を開始した。春節需要を取り込む意図は明らかだ。
タイとの関係悪化やオンライン詐欺など犯罪多発で観光客が急減しているカンボジアも先日、中国人に対するビザ免除の試験導入を決定した。
日本に代わり中国人の春節人気海外旅行先トップに立った韓国は、昨年9月に中国人団体旅行のビザ免除措置を実施し、パンダ外交や文化交流などで中国との距離を急速に縮めている。
中国とインドの直行便も昨年11月に5年ぶりに再開した。タイ航空がインドー中国の往来需要をあてこんで、今年夏のダイヤでインド便を大幅に増やすことを計画している。
他にウズベキスタン、アゼルバイジャン、サモアもこの1年で中国人旅行客へのビザを免除した。
インバウンドは相手国に経済的利益をもたらすだけでなく、関係深化の象徴にもなる。
韓国、フィリピン、インドは領土問題や安全保障問題で中国と長年対立してきたが、トランプ米大統領による関税措置の影響もありそれぞれ関係改善が模索され、往来の活発化に舵を切っている。
世界の観光市場において中国人旅行者は「救命の綱」とも言える存在であり、中国政府にとってはレアアースやパンダと同様、外交カードの一つになっている。
個人旅行客までは抑制できない
日本人は中国にノービザで入国できる一方、日本は中国人向けのビザ免除を実施しておらず、中国政府は以前から「不公平だ」と批判してきた。
中国はビザ免除措置を実施した国に自国民を送り込み、日本は円安を追い風にインバウンドにおける中国人依存度を下げようとしている。お互いそれで成り立っているのだから、今の状況は長期化するだろう。
もっとも、中国人の日本旅行は完全に途絶えたわけではない。中国の航空会社の日本便の運休率は直近で4割超に達するが、言い換えれば半分は運航を続けているし、日本や韓国の航空会社は減便していない。
筆者が1月中旬に搭乗した深セン発成田行きの機内は、中国人でほぼ満席だった。


















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