専門がないままだらだらと…入社3年「静かな退職」を選んだ彼が陥った「-(マイナス)」型人材のワナ AI時代は「π型」「H型」人材を目指せ

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AI時代において、エントリージョブはどんどん置換されていく。それなりの経験を積んで応用力があるベテランしか生き残れない時代に、マイナス型は真っ先に淘汰される対象となるだろう。

「AIは魔法の杖ではない。自分の鏡のようなもの」
「AIから引き出せる性能は、自分の能力にそのまま比例する」

このように言われて久しい。

したがってAIの成果物は、自分の縦棒の長さに比例すると言ってもいい。専門知識がなければ、AIに適切な指示を出すこともできない。先述した前提情報としての「文脈(コンテキスト)」も与えることができない。表面的な知識をいくら集めても、AIを使いこなすことはできないのだ。

AI時代に価値が高まる「π型」と「H型」

ではAI時代に最も価値が高いのはどの型か? 答えは「π型(パイ型)」と「H型」である。

「π型人材」は、2つ以上の専門性と幅広い知見を持つ人材だ。2本の縦棒を持つため「掛け算」による独創的なアイデアを出せる。

たとえば、現場の泥臭い営業経験と最新のデータ解析スキル。この組み合わせから生まれる「斜め上の解決策」は、AIには思いつかない。

「この顧客は数字上は有望だが、過去の商談の雰囲気からして今はタイミングが悪い。別のアプローチを試すべきだ」

といった判断は、2つの専門性を持つ人間だからこそできる。

「H型人材」は、専門性に加えて他者(専門家)との接続力を持つ人材だ。H型の横棒はスキルではなく「信頼(トラスト)」である。

ある分野のスペシャリストは、他分野のスペシャリストの人脈資産を増やしやすい。どんなに広い知見を持っていても、ある専門分野を極めていない「マイナス型人材」であれば、「底が浅い」とすぐ見破られる。良質な人脈資産を形成できないのだ。

これらは、世界的大ベストセラー『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』に書かれてあった「生産性資産」に当たる。このような資産が潤沢にないと、とても人生100年時代を生き抜くことはできないだろう。

AI時代、私たちは「完成された文字」である必要はない。しかし、常に形を変え、進化し続ける「動的な記号」であらねばならない。

ドットからIへ、IからTへ、Tからπへ、あるいはHへ。キャリアの形は変化していくものだ。どんなキャリアへ進もうと個人の自由だが、順番を間違えてはいけない。

静かな退職を選ぶ前に、自分のキャリアの「型」を見つめ直してほしい。「ー(マイナス)型人材」のままでは、貴重な資産が増えない。市場価値は下がるいっぽうだ。

【この記事の著者・横山信弘氏への仕事のお悩みを募集します!】本連載では、読者の皆様からのご相談を受け付けています。「困った部下・上司・同僚への対応」や「仕事で壁にぶつかったときの対処法」など、さまざまなお悩みをお寄せください。 ご協力いただける方は、こちらのフォームからお送りください。
横山 信弘 アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役会長

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よこやま・のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。近著に『トップコンサルタントの「戦略的」勉強法』。

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