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専門がないままだらだらと…入社3年「静かな退職」を選んだ彼が陥った「-(マイナス)」型人材のワナ AI時代は「π型」「H型」人材を目指せ

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  • 横山 信弘 アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役会長
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ここで本題に戻ろう。最も問題なのは「-(マイナス)型人材」である。

マイナス型とは、専門性(縦棒)がないまま、知識の幅(横棒)だけを広げようとしている状態だ。本来、ドット型からI型へと成長し、その後T型へと発展していくのがキャリアの自然な流れだった(現在もそう)。ところがこのプロセスを飛ばし、縦棒を立てる前に横棒だけを伸ばそうとする人がいる。

高度情報化時代だからこそ起きる現象だ。YouTubeやネットニュースで世界経済や経営理論を学び、言葉だけは知っている。多様性だ、LGBTQだ、ワークライフバランスだ、パーパス経営だ……。

流行りのキーワードはすべて押さえている。しかしまだ実力が足りない。だから単なる「意識高い系」とか「ノウハウコレクター」と言われてしまう。

冒頭の若手社員を思い出してほしい。専門スキルは不十分なのに、意識高い系のコンテンツばかり見ている。世界経済や日本企業が置かれた状況を語り、「会社はこう変わるべきだ」「もっとタイパを意識すべきだ」と訴える。まさに頭でっかちのマイナス型である。

AI時代において、このマイナス型は最もリスキーだ。なぜならAIが最も得意とするのが「広く浅い知識の提供」だからである。ChatGPTに聞けば、経営理論も世界経済も、数秒で解説してくれる。横棒だけのマイナス型は、AIに完全に居場所を奪われる。

「静かな退職」がマイナス型を加速させる

静かな退職をしている人は、今持っているスキルを磨くことをやめ、最低限の業務に終始する。縦棒を伸ばす努力を放棄し、横に流すだけの仕事をこなす。その姿は「中身のない横棒だけのマイナス型」そのものと言える。

皮肉なことに、この「横に流すだけの調整業務」こそが、最もAIに代替されやすい領域だ。会議の日程調整、資料の取りまとめ、情報の伝達。これらの業務は、すでにデジタル技術やAIツールで自動化が進んでいる。

長年その専門分野で経験を積んできた上司(I型人材)は、マイナス型の部下に手を焼く。知識だけは豊富に見えるが、実務で使える専門性がない。議論はできるが、成果は出せない。「この件についてどう思う?」と聞けば、一般論は返ってくる。しかしレアケースを目にすると、黙ってしまう。あまりに経験がないからだ。

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【AIの成果物は、自分の縦棒の長さに比例する】

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