怒りが湧いてきた…校長が「勤務時間改ざんを強要」、教員が公益通報した顛末《働きやすくなる民間企業、取り残される教育現場》

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道木さんをそうした行動に走らせる伏線はあった。その年度に入ってから、校長が急に残業回避を呼びかけるようになり、月の残業時間が45時間を超える教員に事情を聞くようになったのだ。

背景には、働き方改革がある。2019年の働き方改革関連法による労働基準法の改正に伴い、公立学校教員にも同様の残業規制が適用され、月の残業は45時間以内、やむをえず残業をする場合も「45時間を超える月は年間6カ月まで」などとなった。

加えて、文部科学省は20年1月に、教員の勤務時間が上限を超えないよう、適切な管理を教育委員会および校長に求める通達を出している。残業時間の管理が厳しくなったのも当然だろう。

文科省「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針 令和2年(2020年)1月17日」
(出所)文科省「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針 令和2年(2020年)1月17日」

一方で、業務内容は以前と変わらないため、道木さんの残業時間はなかなか減らない。

「1日2~3時間程度の残業が常態化していましたので、どうしても月45時間は超えます。校長からは、教員同士で話している時間を引いて申告することや、仕事を持ち帰ることを促されていました」と道木さんは明かす。

だから、校長室に呼び出されたときも、同じようなことを言われるのだろうと予測していた。仕事の持ち帰りを示唆する言動だけでも、コンプライアンスに抵触する可能性は十分にある。それを録音しておけば、不当な評価を受けた場合に抗える材料にもなると道木さんは考えたのだ。

「闇バイトと変わらない」改ざんの強要に怒り

ところが、校長の言動は予想以上にひどかった。「45時間を超えてしまっている分を、何とか調整してほしいというご相談です」と勤怠記録の改ざんを要求してきたのだ。

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