「身長を盛る靴」は、もう恥ずかしいものじゃない!…50年前から《シークレットシューズ》に賭けた町工場が熱狂的ファンを生む理由
北嶋製靴もまた、SNSを通じて「純国産」であることをストーリーとともに伝える取り組みを続けている。単なる製品紹介ではなく、「どこで、誰が、どのように作っているのか」を語ることで、靴に物語性と納得感を与えているのだ。
その姿勢は、日本のものづくりの価値を再発見するという、ふるさと納税の文脈とも相性が良い。結果として、地域の名前とともに製品が届き、認知は静かに広がっている。筆者自身もその1人である。
「ここぞ」という時の1足を
製靴業界は、昨今ビジネスのカジュアル化の流れの中で、大きく潮流が変わってきている。必ずしもフォーマルな革靴を何足も持っている必要がない、打ち合わせもオンラインで済んでしまえば革靴を履いている必要がない、など革靴の需要は減りつつある。
それでも北嶋氏は言う。
「それでも、ここぞという時のきちんとした1足は持っていたい。そうしたニーズはなくならないと思うんです」
だからこそ同社は、流行を追いかけて消費される靴ではなく、長く愛用される普遍的なデザインを選ぶ。変化の速い市場に抗うのではなく、受け止めたうえで長く残るものを作ろうとする意思の表れである。
大量生産でも、価格競争でもない。
小さな工場が選んだのは、時間と手間をかけて、職人の技術で必要とされ続ける1足を作る道だった。その選択に、この会社の靴作りに対する矜持を見る。
今年、大河ドラマの舞台としても注目を集める大和郡山。そして、その地で静かに続いてきた革靴作り。消えゆく産業の中にこそ、次の時代のものづくりのヒントがあるのかもしれない。これからもこの町と、その足元を支える仕事に目を向けていきたい。
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