「身長を盛る靴」は、もう恥ずかしいものじゃない!…50年前から《シークレットシューズ》に賭けた町工場が熱狂的ファンを生む理由
北嶋製靴の大きな特徴は、ほぼ全工程を国内で行っている点である。
靴の生産国表示は、ほぼ全工程を中国、インド、東南アジア等の海外で制作したとしても、靴底を付ける「底付け」の工程を日本で行えば「日本製」を名乗ることができる。北嶋さんは「全工程を日本で行う革靴は全体の数パーセントくらいではないか」と言う。今、国内の靴店の店頭に並ぶ、「日本製」は、かなりの工程を海外で制作したものが幅を利かせているのが一般的だ。
だが、北嶋製靴では革の裁断から縫製、成形、底付け、仕上げまですべての工程を国内で行った「完全国産」である。
北嶋さんが完全国産にこだわる理由は、顧客との距離の近さにある。
「すべて国内で職人が作ることによって顧客の声をすぐに素材選びや靴の構造に反映して改良することができます。そういったスピード感や技術の蓄積こそがうちの強みです」
最近では、海外での縫製技術のレベルは上がってきているという。それでも縫製もすべて日本で行っている製品は違いを感じるという。
「国内縫製(製甲)には、どこか“凛(りん)とした美しさ”があります。それが製品の説得力になります」
男性用革靴のふるさと、大和郡山
北嶋製靴がある奈良県大和郡山市は、かつて男性用革靴の一大産地として知られていた。市内には多くの靴職人が集まり、浅草や大阪と並び称されるほどの存在だったという。
しかし、市場環境の変化とともに製靴業者は減少を続け、現在、市内に残る事業者はわずか7社のみとなった。地場産業としての革靴は、市内外からの認知も薄れつつあるのが現状である。
そこで7社は組合を作り、「KOTOKA(古都靴)」という共同ブランドを立ち上げた。奈良の革靴の統一ブランドとして打ち出し、ふるさと納税の返礼品とも連動させながら情報発信を行っている。



















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