英検3級でも「Wednesday」が書けない!小中学生「《英検》先取り」の罠、「英語は大丈夫」と自信満々だった子が意欲を失い学習に苦しむケースが多発

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「英検の罠」に陥る原因は、主に2つある。

1つ目は、幼少期から英語教育に力を入れてきた子どものほか、英会話塾や4技能型塾に通う子どもに多く見られる、「ライティングと文法の軽視」である。

「文法偏重」のアンチテーゼとして、「話せる」「聞ける」を重視するあまり、正確に書く力や、文の仕組みを理解する学習が後回しにされ、定着に必要な時間が十分に確保されていない。結果、英検の級は上がっても、取得級相応のライティング力が身に付かない。

2つ目は、本来文法を丁寧に教えるはずの進学塾のカリキュラムそのものの問題である。

小学生を対象とした進学塾の多くは、「1年間で英検5級」「2年間で英検3級」といった英検取得を売りにする。実際に大部分の子が合格する。しかし、その学習量を冷静に見てみると、疑問が残る。

例えば、ある大手進学塾の小学生コースの英語カリキュラムを見ると、週1回の授業で1年間の総授業時間は講習を含め約60時間。この授業量で「1年間で中学2年生前半まで進む」とされているが、正直に言って、無理があるとしか思えない。私の感覚では、60時間程度では、せいぜい中学1年生の2学期内容の途中ぐらいまでが限界だからだ。

120時間の授業で“やっと”中1相当の英語力

私が勤務する高校受験塾では、中学1年生に対し、年間およそ120時間を英語の授業に充てている。そこに補習と追試を何度も重ねて、ようやく「中1生に求められる英語力」に大部分の中学生が届くという感覚だ。

つまり、多くの進学塾の小学生コースが掲げる「1年間で英検5級取得」は、着実な定着を犠牲にした対価にほかならない。

こうした問題意識から、私は昨年、小学生向けのオンライン英文法講座を開講した。この講座の特徴は、あえて英検取得を目指さず、“3歩進んで2歩下がる”の精神でゆっくり進むことだ。実際、8カ月かけてようやくbe動詞を終え、先月から一般動詞に入った。現在は、be動詞と一般動詞を、否定文・疑問文を交ぜながら、徹底的に反復させるよう現場の講師に指示している。

週1回60分の授業ペースで、ごく普通の学力の子であるならば、これ以上のペースを求めることは難しい。

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