引きこもりも経験「リーダー育成」のスペシャリスト"伊藤羊一氏の30年を4年に凝縮"した武蔵野大学アントレプレナーシップ学部で育てる3つの核

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アントレプレナーシップを醸成していくためのプログラムは、伊藤氏がリーダーシップ教育の中で培ってきたことを生かし、実務家教員や起業家の講義、企業とのセッションなどを通じて学生の意欲を刺激し、教員や仲間との対話、事業活動における試行錯誤を通じて、事業開発の能力を高めていきます。

「ビジネスを起こしていく際に必要なのは妄想。次にそのアイデアの種を形にしていく戦略眼を養っていくことが大切だが、これはカリキュラムでどうにかできることではなく、四の五の言わずに社会に出て経験を積む以外には方法はない」と伊藤氏。

そこでEMCでは、1年次はマインドセットとして、実験的に個人プロジェクトに取り組み、自分は何が好きで何ができるのかを、コミュニケーションを取りながら自己理解を進める。

2年生からは学年関係なくチームでプロジェクトを動かし、その中でどうしたら人々を導くことができるのかを考え、試行錯誤しながら、世の中にハッピーを作っていくことにチャレンジしていくのです。

核となるのは、次の3つのリーダーシップの階層です。

1. Lead Self(自分を導く): 自分を知り、その志に火をつけ、自らの足で歩き出す。
2. Lead the People(人々を導く): 共創の渦を作り出し、チームを動かす。
3. Lead the Society(社会を導く): 価値創造を通じて社会をアップデートする。

ここでまず大切なのは、「Lead Self」。日本の若者の自己肯定感が低いのは、自分の人生を生きていないからだと伊藤氏。「新しい価値を作るうんぬんの前に、まず自分の人生をリードしよう。自分のキャリアを自分で作っていく。これがスタートだよねって話をよくする」と言います。

それまで他人の期待に応えてきて、自分のやりたいことを考えていいのだということさえもわからずモヤモヤしている学生たちに、「自分の人生を生きよう」と伝え、「譲れない思いは何か、何をやりたいのか、どうありたいのか」を徹底的に内省させ、心の底から自分を導くマインド、キャリアオーナーシップを育んでいきます。

伊藤羊一氏による授業風景
「リーダーシップとマネジメント」の授業風景(写真:筆者提供)

株式会社、合同会社として起業した数は30社超

学生の中には、不登校や挫折といった過去を抱えて入学した者もいますが、心理的安全性の高いコミュニティの中で、寝食を共にしながら、とことん話し合い「自分自身の人生を生きる」という「Lead Self」の確信を手に入れていくのです。

EMCでは「誰も人の夢を笑わない」ということが浸透しており、だから失敗を恐れず挑戦できるのでしょう。

開学から5年。学生たちの行動力は目を見張るものがあります。株式会社、合同会社として起業した数は30社を超え、1期生の就職先は、IT系、教育系、クリエイティブエンターテインメント系の企業やスタートアップなど、新規事業を起こしていくような会社が多く、中には就職しながら起業をする者もいます。

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