伊藤氏は、麻布高校から東大に進学、その後に日本興業銀行に就職という、世間から見たらピカピカのキャリアパスを歩んできました。
しかし実際は、やりたいこともなく、モヤモヤしたまま引きこもり気味の大学生活を送り、そのまま社会人になったもののメンタルをやられて会社に行かれなくなった経験を持っています。
そこから少しずつ社会で必要なスキルを積み上げ今に至った経験を生かして、社会人を対象にリーダー教育をしてきました。
その中で、「過去の自分と同じように、自分のやりたいことがわからないままモヤモヤしている人はたくさんいるはず。気づくのに遅すぎるということはないが、もっと若い頃から自分の人生は自分で作るという感覚に目覚めていたら、多くの人が自分の人生を楽しくできるのではないだろうか」。
そんなことを思っていた時に、新学部創設の話がきたといいます。
まさに青天の霹靂でしたが、「失われた30年と言われ、日本全体が停滞し自信を失っている理由の1つが、社会と接続していない日本の教育文化とそれによる自己肯定感の低さにもあるのではないか。自分はここまで来るのに30年かかったけれど、これを4年間に凝縮してやるのは重要な意味があるのではと思い半ば使命感で引き受けた」と伊藤氏。
そこで、①実践的事業プロジェクトを必修に、②全員が実務家教員、③1年生は全員寮生活をしてコミュニケーションを強化する。この3つの条件を出したところ、それがすべて大学に承認され、申請から1年半というかつてないスピードで21年4月に開学しました。
寮生活と対話によって自己肯定感を回復
アントレプレナーシップと聞くと、多くの人が起業家をイメージすると思いますが、ここで言うアントレプレナーシップとは、“高い志と倫理観に基づき、失敗を恐れずに踏み出し、新たな価値を創造していくマインド”のこと。
EMCの教育は、単なるビジネススキルの伝達ではないし、起業するうんぬんはあくまでも手段であって目的ではない。学生に自信を持って自分の人生を生きることの大切さを教え、結果としては進路を問わず、社会に価値を提供する人材を育成することを目標にしています。


















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