高市首相の解散・総選挙戦略はリスクの高い賭け、選挙協力パートナーがなければ自民党に逆風となる可能性
一部報道では、2024年の衆院選で公明党の協力がなければ、自民党の小選挙区での獲得議席(132議席)は2割から4割下回っていた可能性があるとしている。日本経済新聞は25議席程度下回っていたと推計。JNNは最大で32議席少なくなっていた可能性があるとした。産経新聞によると、公明党の支持者は1選挙区あたり平均で約2万票を投じていたという。
東洋大学の薬師寺克行教授は、自公の「連立というのは、政権を作るためではなくて、選挙協力をしてお互いの票をやり取りし、多数派を獲得するための連立」だったと指摘した。
公明党は昨年10月に自民党との連立を解消。その後、自民党は日本維新の会を連立パートナーに選んだ。維新は自民党と政策面で親和性が高く、日本の防衛力強化に抵抗感が少ない右派寄りの立場を取っている。こうした点が政権に一体感をもたらし、高市氏の支持率を押し上げる要因となっている可能性がある。自民党は維新との新たな連立により、衆院でかろうじて過半数を確保している状況だ。
新党結成
一方で、公明党は立憲民主党と新党結成に向けて調整に入ったと複数の国内メディアが報じた。解散・総選挙が迫る中、今後の方向性を確認するという。立民の野田佳彦代表と、公明党の斉藤鉄夫代表は12日に会談し、「より高いレベルで連携」することで一致していた。公明は、現職4人がいる小選挙区から撤退する方向でも調整するという。
東大の内山教授は、「立憲民主と公明が選挙協力の話を進めているので、それで立民が票を伸ばすということになれば自民党にとっては大きな痛手になると思う」と述べた。
自民党は総選挙を単独で戦わざるを得ない可能性がある。高市氏の支持率は高いものの、自民党への支持は引き続き低水準にとどまっており、首相の人気が自民党への投票にどの程度つながるかは不透明だ。
NHKが10-12日に行った世論調査で、高市内閣は62%の高支持率を維持した。一方で、自民党の支持率は30%前後で推移している。調査は、高市氏は国民民主党や参政党の支持層からも高い支持を集めており、そうした有権者を自民党支持へと呼び戻す可能性を示唆している。
早稲田大学の高安教授によれば、高市氏の支持層は、保守的な考えに共鳴して積極的に支持する従来の右派層と、政治への関心は低く受け身ながらも応援する層の二つに分かれる。
首相個人への支持が、選挙結果を左右するほどの規模になるかどうかを見極めるのは難しいという高安教授。「それぞれの熱量や広がりというのが、数字だけでは捉えきれないところがある」と語った。
著者:村上さくら、野原良明
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