高市首相「冒頭解散」決断の危うすぎる全内幕、"自民党260議席"の皮算用と官邸独断専行に潜む"死角"

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高市首相が「冒頭解散」を決断するまでの経過を振り返ると、官邸と自民、維新両党幹部との意思疎通の乏しさと、それによる混乱が浮き彫りになる。

そもそも高市首相は、昨年の臨時国会閉幕の時点では、物価対策の実効性を高めるため、成立した大型補正予算の速やかな執行と、年末に閣議決定した超大型の2026年度予算案の早期成立に全力投球する意向だったはず。だからこそ、早期解散の可能性を問われても「そんなことを考えている暇がない」と繰り返していた。

そうした高市首相の態度が微妙に変わったのが、1月5日の伊勢神宮参拝後の年頭会見でのやり取りだった。記者団から、高い内閣支持率を背景に衆院解散に踏み切ることは選択肢にあるかと問われると、「目の前の課題に懸命に取り組んでいるところだ」とだけ答え、否定のトーンを弱めた。

背中を押した「260議席超」という調査結果

その背景を探ると、自民党が昨年末に実施した全国的な情勢調査で「いま解散すれば自民党が単独過半数を回復」との結果が出たことにたどり着く。さらに、年明け4日の同様の調査では、「自民党が260議席超を獲得」という驚くべき数字が出たとされる。

自民党の選挙担当者によると、「この調査結果が高市首相に報告されたのは7日以降で、その段階で高市首相は『冒頭解散も選択肢』と判断した」というのが“真相”のようだ。

ただ、政界関係者の間では「高市首相の決断の背景には、韓国で大問題となっている旧統一教会と自民党との関係がある」との見方も多い。韓国では、旧統一教会が衆参選挙で支援した自民党議員は290人で、内部文書には高市首相の名前が32回も出てくるとの報道もある。

また、大問題となった高市首相の腹心とされる自衛隊元空将の首相補佐官の「核保有」発言も、処分もないまま放置されている。当然、「解散しないで通常国会での予算委員会の審議が始まれば、野党の集中砲火で高市首相は立ち往生となりかねない」との不安は拭えない。

こうした火だるま状態を未然に防ぐには、解散ですべてを過去のものにするしかないというわけだ。

高市首相は冒頭解散の大義などについて19日にも記者会見して国民に説明するとみられる。国民を納得させる説明ができるかどうかが、今回の「冒頭解散」の選挙結果を左右することになりそうだ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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