後見人・麻生元首相も蚊帳の外、高市首相を「衆院冒頭解散」へと走らせる"焦り"の正体

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高市首相は1月5日の年頭会見で、「日本を取り巻く国際情勢が大きく変化する中で、大局観を失うことなく、わが国がどのような次の時代を切り開いていくかを見据え、この1年、政権運営に当たっていかなければならない」と述べた。「大局観」とはこの国の将来がどうなるのかについて考えることであり、自身の生き残りではないはずだ。

「11月に行われた自民党の世論調査を見て、衆院解散を決断した」という報道もある。その内容とは、解散総選挙で自民党が199議席から260議席を獲得し、過半数を制するというものだ。

ただ、連立を組む日本維新の会も4議席増の38議席で、「年収の壁」の178万円引き上げと引き換えに26年度本予算案に賛成を約束した国民民主党も8議席増の35議席。参政党も3議席から17議席と大躍進し、日本保守党も3議席から5議席と議席を増やすというものだった。

要するに、衆議院の定数465議席のうち、保守陣営が355議席(76%)を占めるわけだが、これは民主党政権が崩壊し、第2次安倍政権が誕生し、日本維新の会が国政進出を果たした12年12月の衆院選結果を上回る。

このときの日本維新の党は54議席を獲得。自民党の294議席と合わせると、保守陣営の議席は348議席で、当時の定数480議席の72.5%を占めた。では現在、これを上回る追い風が自民党に吹いているのかといえば、なかなか難しい。

例えば、1月10日と11日に行われたJNN(ジャパン・ニュース・ネットワーク)の世論調査では高市内閣の支持率は78.1%で自民党の支持率は29.7%だったが、同社が24年10月5日と6日に行った世論調査では石破内閣の支持率は51.6%で自民党の支持率は33.9%。高市首相の人気ぶりが際立つ一方で、自民党の政党支持率は現在のほうが低いのだ。

「高市流」の解散はどんな結末を迎えるか

立憲民主党と公明党との接近も気になるところだ。自民党は小選挙区の多くで「公明票」に頼ってきたが、自公連立を解消した以上はこれらが必ず自民党に入る保証はない。

立憲民主党は1月13日、安住淳幹事長の名前で都道府県連代表および選挙責任者宛てに「公明党・創価学会への対応について」を発し、公明票の取り込みを始動させるよう促した。公明党の斉藤鉄夫代表は昨年10月8日、今後の自民党との選挙協力について「人物次第」としたが、公明党関係者は「当時と今では事情は違う」と述べる。

高市首相はすでに空白区での候補擁立を進めており、投開票日は2月8日と史上最短コースになる可能性もある。それは、自分が指揮する選挙で作る新しい体制を早期に動かすためなのか。それとも、国民に熟慮する時間を与えないためなのか――。それも「高市流」ということなのか。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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