後見人・麻生元首相も蚊帳の外、高市首相を「衆院冒頭解散」へと走らせる"焦り"の正体
もっとも、早期解散の様子が皆無だったわけではない。巨額の補正予算は、来年度本予算の成立が遅れることを予想したようにも見えた。
それでも「衆議院の解散があるとしても、26年度本予算が成立した後だろう」と予想する者は少なくなかった。にもかかわらず、高市首相が衆議院を解散する構えを見せている理由は何なのか。
まず考えられるのが「中国問題」だ。高市首相は昨年11月7日の衆院予算委員会で、台湾有事をめぐって「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になりうるケース」と述べ、これが中国をいたく刺激した。
昨年6月に再開したばかりの日本産水産物の輸入手続きが停止され、今年1月6日には軍事目的にも転用できるデュアルユース物質の対日輸出禁止が発表された。8日には中国に輸出した日本酒などの酒類、食品の関税手続きの遅延が発覚している。
これについて、財界は猛烈に反発。関西経済連合会の松本正義会長は1月6日、「(大阪・関西)万博中にあの発言があったら、ぞっとする」と高市首相を辛辣に批判し、「万博がけがれる」とまで発言した。
「自己都合解散」を指摘する見方も
週刊誌が報じたスキャンダルもある。『週刊文春』1月15日号は、「『高市総裁が天の願い』統一教会の㊙報告書」と題して、3200ページにわたる「TM特別報告」の中身を公開。高市首相の名前が32回も登場したことを指摘した。
現代ビジネスも昨年12月3日、奈良市を拠点とする宗教法人の女性教祖が高市首相に3000万円もの高額献金を行っていることを配信した。自民党関係者は「潔癖な性格の高市首相は、こうしたスキャンダルを非常に気にしているようだ。通常国会で野党に追及されるのは耐えられないだろう」と述べ、「スキャンダル隠しのための衆院解散かもしれない」と話している。
だが、それでは「自己都合解散」だ。国権の最高機関である国会、その中でも参議院に優越する衆議院の解散は、それなりの大義がなければならない。
例えば、高市首相が敬愛する故・安倍晋三元首相は、14年11月の解散では消費税の引き上げを15年10月から17年4月に先送りすることについて国民に問い、17年9月の解散では少子化問題や北朝鮮によるミサイル発射問題などを挙げて、「国難を突破するため」と“大義”を述べた。
首相の専権事項である衆議院の解散権は、「勝つための手段」であることは間違いない。しかし、その間に政治的空白が生じ、国民の生活に影響が出る危険もある。


















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