隠れた流行「AIモンスター」いつの間にかゲーム化。生成AI時代に"いじれる存在"が求められる理由

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イタリアンブレインロットも元々の作者はいるし、キャラクターとしての権利は存在する。しかし生成AI生まれであるがゆえに似たようなキャラクターは容易に作り出せるし、バックストーリーなどはユーザー側で勝手に付け足すことができる。

つまり、『スプランキ』もイタリアンブレインロットも、言ってしまえば誰もが勝手に遊べる“インターネットのおもちゃ”なのだ。

いじれるキャラクターが求められている

ブレインロットを盗む
『ロブロックス』内の流行ゲーム『ブレインロットを盗む』。さまざまなブレインロットを集めるだけでなく、他プレイヤーから盗むスリルも味わえる(画像は『ロブロックス』よりキャプチャー)

「ゲーム版YouTube」とも呼ばれるオンラインゲーミングプラットフォーム『ロブロックス』を見ていると、インターネットのおもちゃの重要性がよくわかる。

さまざまなユーザーが自由にゲームを作って配信できる『ロブロックス』においては、常にキャラクターが求められている。たとえばキティちゃん、ラブブ、ちいかわなどの人気キャラクターは常にパクられており、さまざまな低品質ゲームに登場している。

こうなるのには複数の理由が考えられる。オリジナルキャラクターを用意するコストが高いというのもあるだろうし、すでに人気があるものの恩恵にあずかるといった意味もあるだろう。あるいは既存のキャラクターをいじめるのが露悪的でおもしろいのかもしれない。権利的に問題だが、人気キャラを使うメリットはかなり大きいのだ。

さて、もし比較的自由に使えて、より多くの人が知っていて、無茶苦茶なことをしてもたいてい笑って許される存在がいたらどうなるだろうか? そう、それこそ求められているインターネットのおもちゃなのである。

そしてこれは子供だけの話ではない。25年12月にはX(旧Twitter)で、画像をAIで加工できる機能が実装された。そしてこれは大きな問題になったわけだが、そもそもAI画像加工機能も常識的に使えば問題はないはずだ。しかし残念ながら、インターネット上の倫理はそこまで育っていない。人のものを勝手にいじくって遊んでしまう悪癖があるのだ。

結局のところ、子供であろうと大人であろうとも、インターネットにおいては勝手にいじくり回して嘲笑ってよい存在が求められてしまっているのである。そして、その需要に沿っているのがイタリアンブレインロットなのではないか、と筆者は考えている。

イタリアンブレインロットは、大人から見ると不気味で不快なだけのキャラクターかもしれない。しかし、実在の人物の写真を改変するよりはかなり健全だし、インターネットに求められているものを体現しているということにおいては、学ぶものが多いのではないか。意味はないが、意義はあるのだ。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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