佐藤優氏が「残念に思う生き方をする人」の共通項――タイパやコスパを求める人たちに欠けた「教養を身につける」という視点

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この場合の他者時間は、「消費時間」と言い換えることもできるでしょう。他者の作った商品を購入し、他者によって作られた仕組みやプラットホームに乗っかって、ただ消費するだけの時間です。

それに対して、オリジナルなものを生み出す時間を「創造時間」と呼ぶことにしましょう。私たちはできる限り「他者時間」や「消費時間」を減らして、「自分時間」や「創造時間」を増やすことが望ましいと考えます。

その際にポイントとなるのが「教養」です。

ここでいう教養とは、学校で習うような知識だけではなく、日頃から本を読んだり、芸術作品に触れたりして、自分の感性や感受性を高めておくことを意味します。興味や関心の幅をどんどん広げておくのです。

そしていざ自由時間が増えたり、生まれたときに、関心のあることをさらに調べたり、勉強して教養を深めていきます。このサイクルを作ることができれば、前述した「他者時間」や「消費時間」に流されることなく、主体的な「自分時間」や「創造時間」を作り出すことができるようになるはずです。

お金をかけずに教養を身につける

教養を高めるには、読書がもっとも効果的だといえるでしょう。

読書の良さは、何といってもお金をそれほどかけずに、膨大な情報量を得ることができ、深い思索のきっかけを作ることができることです。

単行本なら1冊1500円から2000円くらいで、文庫本なら1000円程度で購入することができます。高価な専門書であったとしても、1万円前後で買うことが可能です。

これが誰かの講演を聞いたり、セミナーや勉強会に参加するということになると、一気に値段が上がります。今はやりの言葉でいうならば、読書はコスパがとてつもなくいいのです。

まずは古今東西の古典、名著と呼ばれるものから読むのがお勧めです。古典は50年や100年、それ以上の命脈を保って生き続けているものです。時間のフルイにかけられ、選りすぐりの良書しか残っていません。

また、小説もぜひ読んでほしいと思います。社会人になると、小説なんて読む暇がないという人も少なくないでしょう。しかし、小説は豊富な“代理経験”を積むことができるのでお勧めです。

人間は自分1人では経験することは限られています。しかし本を通じての経験なら、無尽蔵に積むことができます。

もちろん実際に体験することと、本による代理経験では得られる濃度は違うわけですが、たとえ代理経験でも、それがまったくない状態よりははるかに経験値が上がると考えています。

とくに私たちが社会生活を送るなかで、おおよそ体験できないことがあります。

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