ニデックの「信用格付け」、主力銀行が2ノッチ引き下げていたことが判明、同社が抱える「ガバナンスリスク」と「監査リスク」に対応

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

東京証券取引所から「特別注意銘柄」に指定されているニデックは、その解除に向けて、26年1月下旬に日本取引所グループ(JPX)に対して内部管理体制の改善計画を提出する予定だ。

不適切会計の疑いが明るみに出て以降、同社は社長室や最高法務責任者(CLO)のポストを新設して、グローバルに分散する各拠点の管理強化や法務・税務リスクへの対応強化を急いでいる。

別の主力銀行も「適宜見直し」

だが、こうした対応を取っても「ニデックの根深いガバナンス上の課題を解消できるかは不明瞭だ」(主力銀行関係者)。12月19日に辞任した永守重信元代表の強烈なリーダーシップ(ワンマン体制)の下で成長を果たしてきただけに、「永守氏が退任した後の体制移行リスクも小さくない」(同)。こうしたガバナンスリスクを理由に、ニデックの信用格付けは、まず1ノッチ引き下げられた。

それだけではない。ニデックを監査するPwCジャパンは、25年3月期の有価証券報告書と25年4〜9月期の半期レビュー報告書について「意見不表明」としている。不適切会計の真相を究明している第三者委員会の調査結果によっては「不正」と結論づけられる懸念があるほか、過年度決算の大幅な修正やさらなる減損処理に発展するリスクもはらむ。

仮に、会計不正と認定されて株価が大きく下がるような事態になれば、集団訴訟に発展する可能性も否定できない。こうした監査リスクも踏まえて、格付けはさらに1ノッチ引き下げられ、計2ノッチの格下げとなった。

別の主力銀行関係者も「業績やキャッシュフローの動向を注視して、ニデックの格付けを適宜見直していくことになる」と話す。

2ノッチ下がったとはいえ、ニデックの信用格付けは依然として高い水準にある。しかし、今後はどうなるか。その詳細は、【独自】ニデックの信用格付けを主力銀行が引き下げ、6000億円コミットラインなど手厚い支援の陰では「非公開化」のシミュレーションもでご覧いただけます。
北山 桂 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

きたやま かつら / Katsura Kitayama

1975年群馬県生まれ。日本農業新聞や博報堂アイ・スタジオ(コピーライター)、「週刊金融財政事情」編集長などを経て、2024年4月東洋経済新報社入社。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事