"ジブリ風"など…AI隆盛で「アニメ業界」に生じる混乱 絵だけでなく、声やグッズの権利をどう守っていくのか
生成AIの隆盛が日本のアニメ業界にも影響を与え始めています。
「ジブリ風」の絵柄が問題視されたことが記憶に新しいと思いますが、AIが影響を与えているのはアニメの「絵(画)」だけに限りません。
アニメ業界ではAIの何が期待・問題視され、どのような混乱や取り組みが生じているのでしょうか。
公式イラストが生成AI製と疑われる事態も
アニメは1枚1枚の絵をはじめ、文章(脚本)や音声といったさまざまな要素が集まって完成する映像作品です。AIはそうしたアニメの各セクションに影響を与え、時に混乱も招いています。
特に絵を巡っては、正式な作品コラボで時代考証などがおろそかにされた生成AI製らしきイラストが使用されたり、イラストコンテストで生成AI製疑惑の絵が散見されたりしたことで、アニメファンの間で生成AI画像へのネガティブな印象が蓄積され続けてきました。
そうした「AIっぽい」イラストへの警戒心は人々の疑心暗鬼を生み、2024年には「プリキュア」シリーズの公式イラストがファンにより生成AI製を疑われ、公式が生成AI製ではない旨をわざわざ表明する事態まで起こっています。
現状では、生成AIイラストであることを見分ける手段も、生成AIではないことを証明する手段のどちらも十分には確立されていません。ゆえに、創作物が好きだからこそ、それが蔑ろにされて生成AIが使われることに対して拒絶反応を抱くファンと、そうしたファンの懐疑心に対し「悪魔の証明」をするしかない製作者との間で、しばしば混乱も生じてしまっているのです。


















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