「港区のタワマンが次々値下げ」「人気の湾岸タワマンに在庫が…」 高市政権の「外国人買い占め」「投機目的」への不動産規制に抱いた"一抹の不安"
さて、私がはじめてマンションを購入したのは2000年だった。当時のマンション市場は、今とはまるで様相が違っていた。
まず、新築マンションの供給数が圧倒的に多かった。多くの物件が先着順で販売され、欲しい部屋が買えた。モデルルームの予約が争奪戦になることもなければ、抽選倍率が10倍を超えるような光景も記憶にない。
一方で、住宅ローンの金利は高かった。私は2.5%と4%の変動金利を組み合わせ、4300万円ほどの住宅ローンを組んでいた。今のように「変動金利1%未満」が当たり前の時代とは、まったく異なる環境だった。
私が24歳で迷いなくマンションを買えたワケ
それほど金利が高かったにもかかわらず、なぜ当時24歳の私は迷いなくマンション購入を決断できたのか。答えははっきりしている。
「マンション価格はどうせ下がるものだ」と思っていたから買えたのだ。
当時、新築マンションには「新築プレミアム」が乗っていると考えられていた。入居した瞬間に中古となり、価格は1割、場合によってはそれ以上下がる。
短期の転売など論外で、長く住み、住宅ローンを返済しながら、ライフプランの変化に合わせて売却する。それがごく当たり前の前提だった。
どうせ下がるのだから、価格のことを過剰に気にする必要はない。立地や資産性もさほど関係ない。自分が本当に住みたい部屋を選ぼう。
賃貸で借りるよりも、最後に自分の財産になる分譲住宅を購入するほうが、きっと長い目で見ていいに違いない。マンションを売却した最後に計算して、賃貸よりもよかったと思えればそれでよい。
このきわめてシンプルな思考と価値観に支えられて、私はマンション購入を決断したのだ。
あれから25年。今、マンション価格は下がるものだと信じて新しくマンションを買う人は、どれくらいいるのだろうか。



















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