「港区のタワマンが次々値下げ」「人気の湾岸タワマンに在庫が…」 高市政権の「外国人買い占め」「投機目的」への不動産規制に抱いた"一抹の不安"

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これほど価格が上がっても都心の新築タワーマンションが抽選になるのは、多くの実需層と言われる人々が「まだマンション価格は上がる」と信じているからだ。その感覚があるからこそ、倍率10倍を超える抽選にも参加し、モデルルーム予約争奪戦に時間を費やす。

資産価値という言葉が強い影響力を持ち、過去のマンションの値上がりランキングなどを参考に人々は棲家を探しているように思える。今のマーケットはある意味「上がると思う信頼」に底支えられていると言っても過言ではない。

実需層の“購買意欲を冷やす”危険性

人々のマンションに対するこのマインドが今の時代の基盤なのだとしたら、私はそのマインドが変わってしまうことへの恐怖を感じる。

たとえば、その「信じる気持ち」を政策によって一気に潰されてしまった場合だ。もし「住宅価格はもう上がらない」「むしろ下がるかもしれない」というメッセージが強く浸透したら、次に起こるのは「それなら買わない」というマインドの広がりである。

もしそのマインドが広がれば、デベロッパーは売れないものを作らない。彼らには新築マンション以外にも収益源があり、無理をする理由はない。結果として供給は止まり、市場は一気に冷え込む。「マンション冬の時代」の到来である。

安くなったら買います、と皆はいう。しかし、その安さは今が底値だと、いったい誰が断言できるのだろうか。

1990年代初頭、いわゆる平成バブルが崩壊したとき、私は中学生だった。土地価格は下がったが、「これで家が買える」と喜ぶ空気ではないことは、子どもである私にも理解できた。損をするから売れない。新しい住宅も買えない。そこにあったのは、重苦しい停滞感だったはずだ。

次ページいきすぎた高騰は是正されるべきだが…
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