ヤマト運輸、「メール便」廃止騒動のそれから 「ゆうメール」の攻勢で新サービスが苦境に

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今のところ挽回の切り札としているのが、4月からDM便と同時に開始した、小さな荷物専用の「宅急便コンパクト」と「ネコポス」だ。

特に後者への期待は大きい。ネコポスも事業者向けの商品だが、DM便より配達スピードが速く、冊子以外のものも送ることができる。

頼みはフリマアプリとの提携

お歳暮など配送量の増える年末までに、新サービスを浸透させることができるか(撮影:風間仁一郎)

契約数量にもよるが、月間100個の配送で200円台半ばと、単価は「廃止したメール便の数倍」(山内社長)に達している。個人宅の郵便受けに投函できるので、再配達の手間も省ける。

最近では急成長するフリーマーケットアプリの大手事業者と提携。送り主と受け取り主が、互いの住所を記載しなくても利用できる「匿名配送」も、検証に入っている。

だが、「会社計画には、増益を目指して頑張るという、社内やマーケットへのメッセージの側面が強い」と、冒頭のマーケット関係者は冷めた見方を崩さない。

業界にとって、年末商戦やお歳暮などで配送量が増える12月が、最大の書き入れ時。それまでに新サービスをどこまで浸透させられるか。時間との戦いになってきた。

「週刊東洋経済」2015年11月21日号<16日発売>「核心リポート05」を転載)

鈴木 良英 東洋経済 記者

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すずき よしひで / Yoshihide Suzuki

『週刊東洋経済』編集部記者

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