「救急車を呼ばなかったばかりに」…。"初動の遅れ"で介護が一気に重くなるリアル。 年末年始、帰省時に確認するといい「当たり前のこと」

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多くの人が「できれば寝たきりは避けたい」と考えるのではないでしょうか。子どもの立場からも同様だと思います。

脳卒中の場合、できるだけ早く、正確な診断をして治療を開始するほど、良い治療結果が期待できます。また、何らかの症状が出現した後、数分間で回復したとしても安心はできず、大きな発作が起こる前触れのケースがあるようです。

脳卒中に限らず、緊急時には救急車を呼ぶことは必須。最近は「救急車をタクシー代わりに利用してはいけない」といった話もよく聞くため、遠慮深い親だと119番通報することを躊躇するかもしれません。

また、救急車を呼ぶことを「ご近所に対して恥ずかしい」と考える高齢の方もいます。実際、救急搬送を依頼する際に、「サイレンを鳴らさずに来てください」とお願いする人は少なくないようです。ですが、緊急自動車の運転中にはサイレンを鳴らし、警光灯をつけることは法律で定められています。

「#7119(救急安心センター)」と書いて貼る

年末年始に親と顔を合わせる方も多いと思います。会ったときにはぜひ「緊急時は、ためらわずに救急車を。あるいは、家族に連絡を」と確認しておきましょう。

前述のように、それでも救急車を呼ぶことに決心がつかない人もいます。そのような場合に備え、親に、救急安心センター事業の存在を伝えておきたいものです。

#7119の啓発画像
#7119の啓発画像(総務省消防庁のWebサイトより)

電話番号は「#7119」

住民が急な病気やケガをしたときに、「救急車を呼んだほうがいいのか」、「今すぐ病院に行ったほうがいいのか」などで迷った際の相談窓口として、専門家から電話でアドバイスを受けることができる仕組みです。2025年10月の人口カバー率85.7%と、多くの地域で実施されています。

例えば、東京都の場合、東京消防庁救急相談センター相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者など)が、24時間・365日で対応しています。

#7119カバーエリア
(画像:「総務省消防庁『救急安心センター事業(♯7119)の展開拡大』(令和7年10月現在)より)

とっさには電話番号を思い出せないかもしれません。実家の目立つところに、「#7119(救急安心センター)/救急車を呼ぶべきかどうか迷ったら電話!」と書いて貼っておくことをお勧めします。

太田 差惠子 介護・暮らしジャーナリスト

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おおた さえこ / Seko Ota

京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。「遠距離介護」「高齢者住宅」「仕事と介護の両立」などの情報を発信。AFP(日本FP協会)の資格も持ち「介護とお金」にも詳しい。一方、1996年遠距離介護の情報交換場のNPO法人を立ち上げて子世代支援(~2023)。

著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第4版』『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第3版』(以上翔泳社)『遠距離介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門第2版』(共著,KADOKAWA)など。

https://www.ota-saeko.com/

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