Z世代に「夢や理想」は響かない サイバーエージェント藤田晋が目にしてきた"下から炙る火"の底力

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サイバーエージェント 勝負眼 藤田晋
(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
「若手のモチベーションをどう高めればいいのか」。多くの管理職が抱えるこの悩みに対し、サイバーエージェントの藤田晋社長は一つの明確な答えを出しています。それは「夢や理想」ではなく、自らを「下から火で炙る」ような状況に追い込むこと。本稿では『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術』より一部抜粋のうえ、同社の副社長・日高裕介氏との歩みや、FC町田ゼルビア・黒田剛監督の勝負哲学を交え、藤田氏の独自のマネジメント論をご紹介します。

ダメ社員として燻っていた彼を変えたもの

1998年にサイバーエージェントを創業した時、一緒に起業したのが現在の副社長の日高裕介だ。私が1年間だけ在籍させてもらった会社の仲が良かった同期で、起業を決めてから彼を誘った。

最初に名刺を作る時に「社長は俺だけど、お前、常務と専務どっちにする?」と聞いたら、「じゃあ常務」と答えたので、彼は常務からスタートし、その後、10年以上経ってやっと専務に昇格し、20年経って副社長に昇格した。

最初は常務と専務、どちらが偉いのか知らなかったらしい。当時の私は24歳で、日高は23歳、まだ世間のことが何も分かっていなかった。

日高はサイバーエージェントの大きな収益の柱であるゲーム部門を社内でゼロから立ち上げ、今も担当役員として力強く業容を拡大させている。つまり、仕事ができるし優秀だ。

しかし、起業する前は仕事ができないダメ社員として燻っていた。配属された部署の仕事が合わず、営業で外回りに出てはサボる毎日を送っていたからだ。

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