大村愛知県知事の「東海大志塾」が竹中平蔵氏を講師に招き勉強会を開催
5月23日夕方の名古屋観光ホテル(名古屋市中区)。地域政党「日本一愛知の会」を率いる大村秀章・愛知県知事が塾長を務める「東海大志塾」の第2回勉強会が行われた。講師は竹中平蔵・慶応義塾大学教授。4月12日に行われた第1回勉強会は大村知事自身が講師を務めた、キックオフの場だった。今回が外部講師を招いて行う最初の勉強会だ。
勉強会が始まったのは19時過ぎ。開始時点では写真のようにやや空席も目立っていたが事務局によると500名ほどの参加になるという。
冒頭の塾長挨拶で、大村知事は「税率を引き上げたところで、成長がなければ税収が上がるかどうかはわからない。成長戦略がなければいけないわけです。そうしたところを一番、わかりやすく話をしていただけるのが竹中先生。私自身も若手議員だったときにいろいろと教えていただいた。今日は、志を同じくしてきた同志でもある竹中先生にたっぷりと話をしてもらおうと思います」と竹中氏を紹介した。
演台に立った竹中氏は「政治家にはウォームハートとクールヘッドが必要。永田町は冷静な頭で判断できる人が少ない。まず大切なことは今の日本の状況を冷静に分析することです」と、講演を始めた(講演の記者への公開は冒頭部分のみ)。
ライバルは「河村たかし政治塾」
東海大志塾では、竹中氏に続く講師として第3回(6月14日)がジャーナリストの田原総一朗氏、第4回(7月 5日)が上山信一・慶應義塾大学総合政策学部教授を決めている。さらに、第5回以降は猪瀬直樹氏(作家、東京都副知事)、田勢康弘氏(ジャーナリスト)、 東国原英夫氏(前宮崎県知事)が内定しており、講師は有名人ぞろいと言っていい。
大村知事は「橋下さん(徹大阪市長)からは『名古屋では大村さんが(維新の会を)やってください、お願いします』と言われましたからね」と明らかにしている。つまり、いま地方で勃興している政治塾ブームの元祖である大阪維新の会の正統なフランチャイジー、というのが大村知事のスタンスだ。
一方で、同じ愛知県内には、「減税日本」代表を務める河村たかし・名古屋市長が率いる「河村たかし政治塾」もある。こちらは正統なフランチャイジーではありませんよ、というのが大村知事のメッセージだろう。
両者は互いの存在を意識しながらの塾運営となっている。とはいえ昨年2月のトリプル選挙で共闘した間柄でもあり、2つの塾には重複して加入している塾生も少なくない。2つの政治塾がくっついてしまえばスッキリするのだが、そうはならない。両者の間には深い溝が刻まれているためだ(詳細は5月7日発売の週刊東洋経済臨時増刊『進化する名古屋』をお読みください)。
早ければこの夏にも行われる可能性のある解散総選挙に向け、大村氏、河村氏はシンパ議員や有力候補者の囲い込み、さらには奪い合いをヒートアップさせていくことは間違いない。
(山田俊浩 =東洋経済オンライン)
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