暖房費ゼロ円!「電気を使わないのにあったかすぎ」「災害時も安心」と話題に…《着る暖房・モモンガ》の"底知れぬ実力"を体感してみた

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気象学と衣服の関係を研究する医学博士に検証を依頼したところ、「衣服内の空気の滞留が確保されており、理論的にも保温性が高い構造」であることが判明した。

坂井社長は「自然にやってきた工夫が、実は理にかなっているとお墨付きもいただけたんです」と話す。

モモンガがここまで支持を広げられた背景には、クラウドファンディングの存在がある。ファーブルは、初代モデルの発売以来、毎年クラウドファンディングを活用してモモンガを販売。そして改良を重ねてきた。

クラウドファンディングは、新しい商品やサービスの開発段階で、支援者から「応援購入」という形で資金を募る仕組みだ。

メーカー側にとっては初期生産のリスクを抑えながら、ユーザーの反応を早期に得ることができる。いわば受注生産のような仕組みで、購入をあらかじめ確約させられることも魅力的である。

モモンガ
モモンガは5層構造になっているが、裏地にはアルミ蒸着の保温生地を使用している(撮影:東洋経済オンライン編集部)
モモンガ
極寒の雪山で行われたテスト結果。モモンガの中はポカポカだ(写真:株式会社ファーブル提供)

ユーザーの声は瞬時に反映

万能な仕組みに思えるが、ヒット商品を生み出すのはそう簡単ではなく、数十万円の資金集めで終わるなど、準備に見合わないプロジェクトも散見される。その中でモモンガは異例の大ヒットといえる。

「クラウドファンディングのユーザーは、他のECサイトと違って目当ての商品があるわけではない。新しいモノや面白いモノを探しに来ている。だから一目で目を引くデザインのモモンガと、その実用性がハマったんだと思います」

坂井社長も、ユーザーとしてクラファンを利用していたことから、ユーザーが興味をもつ商品ページづくりにこだわった。また、クラウドファンディングの仕組みは単なる販売チャネルではなく、「改善のヒントが集まる場所」だと坂井社長は話す。

モモンガ
写真左のようなキルティング生地を使用したこともあったが、この縫い目からも微量の冷気が入り込むといい、現在は縫い目のない生地を採用している(撮影:東洋経済オンライン編集部)
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