リアルかAIかの判別が難しい…《生成AIが作成した動画》を見抜く「6つの極意」 光と影や物理法則がカギに

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同じく、物理法則も生成AIの苦手分野だ。身体の動きがぎこちなかったり、髪の毛が風になびく時に乱れることなく均一になったりしていることも。服の折り目やしわが均一になっているのも、気づくきっかけになるだろう。

自分が生成AIをどれくらい見抜けるのか自信がない人は、「Detect Fakes」を利用してみよう。

Detect Fakes
Detect Fakesを利用して生成AI製かを見極めてみよう(画像:Detect Fakesより引用)

Detect Fakesは、人間がどのようにディープフェイクを見分けるのかという研究のためのサイトだ。もともとは2019年にMITメディアラボで開始された、人間とAIの能力の違いに関する研究を行うノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院の研究プロジェクトだ。

サイトでは次々と画像が表示されるので、本物の写真(Real)か生成AIで作られたもの(Fake)かを答えていこう。自信の度合いも聞かれるので最初の予想を回答すると、「光と影は光源の方向と一致しているか」「構造は物理的に妥当か」などの見抜くための注目ポイントがアドバイスされる。アドバイスを参考にして最終的な回答をしよう。

後述するように、ディープフェイクを見抜くAIも存在するが、決して完璧なものではない。ものによっては、人の目で見分ける方が見抜くことができるという。このサイトでアドバイスを聞くうちに、徐々に見抜くポイントがつかめるようになってくるだろう。

生成AI動画チェッカーも完璧ではない

生成AI画像や動画には、目に見える「Sora」などのウォーターマークだけでなく、いわば目に見えないウォーターマークともいうべきものが埋め込まれていることがある。

Geminiでは、この機能を使い、画像が同社のAIで作成されたものかわかるようになっている。ただしGeminiで判別できるのは、GoogleのAIで生成された画像のみだ。

生成AI画像・動画チェッカーも複数存在する。しかし生成AIの精度は高まり続けており、どのサービスも完璧というわけではない。AI製か否かを完璧に見抜く方法は、現状では残念ながら存在しないのだ。

自分が画像や動画をSNS等でポストやシェアする際には、生成AI製の場合はわかりやすいラベル付けをすることが重要だ。また、気になる動画や画像が流れてきたら、生成AI製でないかどうか疑ってみる姿勢が一番重要になるだろう。

高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

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たかはし あきこ / Akiko Takahashi

SNSや情報リテラシー、スマホやインターネット関連の事件やトラブル、対策が専門。小中高校大学ほかで毎年数十回以上講演し相談を受けており、若者のネット利用実態と対策についても詳しい。教育出版中学校国語の教科書にコラム掲載中。光村図書小中学校道徳の教科書で情報モラルに関する校閲を担当。NHK『あさイチ』『クローズアップ現代+』他メディア出演多数。『若者はLINEに「。」をつけない 大人のためのSNS講義』(講談社+α新書)、『スマホで受験に失敗する子どもたち』(星海社新書)他著作多数。元小学校教員であり、高校生の母でもある。公式サイトはこちら

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