映画『8番出口』『マイクラ』、ドラマ『Fallout』まで大ヒット。ビデオゲーム映像化が相次ぎ成功するいま、背景にある変化とは

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シーズン1では目をそらしたくなるようなおぞましい描写があったが、そのあたりを受け止められるのであれば年末年始に楽しむドラマとしておすすめできる。Amazon Prime Video独占なので、比較的見やすいのも嬉しいところだ。

機は熟し、ビデオゲーム映像作品の旬がきた

スーパーマリオブラザーズ
かつての『スーパーマリオブラザーズ』。これを実写化しろと言われても無理難題だろう(画像は任天堂公式サイトより)

ビデオゲームの映像化作品がヒットするようになった要因は複数考えられる。

まずはビデオゲーム自体が大きく進化している。それこそファミリーコンピュータの『スーパーマリオブラザーズ』はいま見るとかなり記号的で、これを映画にするのがとても難しいのは理解しやすい。

ましてや93年当時はビデオゲームの映像化作品に関するノウハウが少なかったわけで、作るほうも手探りだったと考えられる。マリオがキノコをとって巨大化するだとか、配管工がカメの大魔王とキノコ王国で戦うなんて、どう表現すべきか悩むだろう。

一方現在は、『The Last of Us』や『Fallout』シリーズを見てもわかるように、ビデオゲームのストーリー自体がドラマの物語として耐えうるものになっているわけだ(もちろん変更は加えられてはいるが、大筋や設定は原則同じである)。

『スーパーマリオ』や『マインクラフト』はほぼストーリーが存在しないものの、ビデオゲームに付随するもの(そのゲームのあるあるや、特徴的な音楽、あるいはネットミームなど)が増えているため、それに触れる形で映像化すればファンも納得しやすくなっている。

このほかにも、映像制作側にビデオゲームが好きな人が増えただとか、そもそもビデオゲームのファンが多いので映像化に積極的になりやすい、あるいはビデオゲームも写実的な描写をするものが多くなったといった理由が考えられる。

いずれにせよ、ビデオゲームの映像化作品を展開する環境が整っており、それゆえにヒット作が連発しているのだろう。

今後もビデオゲームの映像化作品は多数展開される。26年4月には『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』が登場し、27年5月には実写映画『ゼルダの伝説』が公開予定。さらに『マインクラフト』の続編映画も27年7月公開予定になっている。

ビデオゲームを原作とする映画、あるいは映像作品がヒットになる流れは続きそうだ。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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