迷惑系と誤解され炎上したことも…『年齢確認』でバズった中毒者続出の《縦型ショート動画》→制作者が｢意見対立を生む内容｣あえて入れる訳

そして、年末に投稿された『年齢確認』の動画が爆発的な反響を呼び、再度大きな成長を遂げました。この『年齢確認』は、現在の「こねこフィルム」のイメージを大きく形づくったと言える作品です。

『年齢確認』で50代と17歳を演じ分ける役者の赤間麻里子氏（『共感と裏切りで心を掴む こねこ流「縦型ショートフィルム」の極意』より）

『年齢確認』でコンビニ店長を演じる役者の半田周平氏（『共感と裏切りで心を掴む こねこ流「縦型ショートフィルム」の極意』より）

この動画のヒット以降、評価は全面的に好転した印象があり、当初はほとんど見られなかった役者さんや演技に関するポジティブなコメントが増加しました。この変化を経て、企業からのタイアップ案件なども発生し、活動が本格的に軌道に乗り始めたのです。

彼らの動画が視聴者の心に響く大きな理由の一つに、役者たちの実力があります。実力のある役者たちが現場で意見を出し合い、コミカルなやりとりや、ピュアな恋心、あるいは違和感など、たった数分の動画の中に、何らかの感情を揺さぶる「空気感」を作り上げています。そのリアルな演技は、「ありそう」だけれど実際にはあり得ない状況を芝居によって作り出すという、「こねこフィルム」が得意とする手法を支えているのです。

『マリリンのコンビニ奮闘記』。赤間麻里子氏演じるマリリンが、半田周平氏演じる店長に恋をしているシーン（『共感と裏切りで心を掴む こねこ流「縦型ショートフィルム」の極意』より）

「迷惑系」と誤解された苦悩の時期と、「炎上」への向き合い方

順調に成長を遂げた「こねこフィルム」ですが、活動初期には苦悩の時期もありました。話題となった動画は他にもありましたが、特に『痴漢冤罪』など、電車内を舞台にした作品が炎上した経験もあります。これは、実際の電車内で隠し撮りしていると誤解されたためで、「迷惑系YouTuber」のように見られてしまう時期もありました。役者陣の演技があまりにもリアルであったことが、かえって誤解を招く原因となったのです。

（『共感と裏切りで心を掴む こねこ流「縦型ショートフィルム」の極意』より）