「おじさんの話って説教臭いじゃん」「私は話し相手には絶対にならない」。バイト仲間の言葉で…大学生"ひより"が自分を《女の子》と感じた瞬間

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それ以降、おじさんと話す時、その人がどういう目をしているかとか、どういうテンションで話しているか、みたいなのを意識してしまうようになった。

(写真:『ワンデーガール(ズ) -「女の子」として生きるってどういうこと?-』より)

「かわいい女の子」だから許される失敗

そんな話をしながら開店準備も終わって、ランチ営業が忙しく過ぎていった。土曜日だったから営業時間はずっと満席状態で、なかなかに大変だったな。

十九時、スーツを着た四十代の男性三人を角のテーブル席に案内した。

彼らは最初からけっこうな量をオーダーして、ずっとワインを飲んでいた。すぐに酔っぱらいはじめて、二時間たつころにはしっかり出来上がっていた。

「すみませーん、この同じやつ、一杯ずつおかわり下さい」

一番若そうな人がキッチンの方に向かって呼びかけた。

ちょうど私が隣のテーブルを拭いていたから、そのまま対応した。

おかわりの時は席までボトルを持っていって目の前で注ぐんだけど、私、最後にくるっと手首を回すのがまだおぼつかなくて。それで机に赤ワインがポタポタ垂れてしまった。

「あぁ、すみません! まだ慣れてなくって」

急いで布巾で机の端をふきながら謝ったの。そしたら、

「大丈夫、大丈夫! 気にしないでー。こんなかわいい女の子に注いでもらえるんだから、いくらでもこぼしていって!」

って笑いながら返されて。

……これがリンリンの言ってたやつ?

ちょうど彼女の話を聞いた後だったからか、「かわいい女の子」って言われたのがすごく気持ち悪かった。少しひきつった笑顔で

「ありがとうございます」

って言って、そのままワインを持ってその場を離れた。

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