「懲役112分、罰金2000円」との声まで…細田守「果てしなきスカーレット」はなぜ低調発進? 前作との"差"から初動大コケの要因を考える

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では、これほど支持されていたはずの細田守監督のファンはいったいどこに行ったのか。最もそのパイを吸収しているのは、やはり新海誠監督作品だろう。

そもそも、新海誠作品と細田守作品はどちらも「ポストジブリ」として評価されてきた。アニメーションのクオリティの高さ、独自の世界観、魅力的なキャラクターとそのキャラクターに命を吹き込む人気俳優を起用した声優陣。どれも細田守監督と新海誠監督の両作品に共通している要素だ。さらに、基本的にオリジナル作品であるからこそ、予備知識なしで気軽に楽しめるのも人気を集める理由なのだろう。

正統なライバルと言っても差し支えない細田守作品と新海誠作品。どちらかの勢いが萎んでしまうなら、もう片方に吸収されるのは必然だったのかもしれない。細田守作品を楽しんでいたライト層は、同じ要素を味わえる新海誠作品へ流れていったのだ。

インターネットで酷評されているからこそ、その目で確かめるべき

監督が作りたいものと観客が求めているものに決定的なズレが生じてしまった結果、多くの人から酷評されることとなった「果てしなきスカーレット」。

とはいえ、映画を鑑賞せずに酷評するのはいかがなものだろうか。SNS上で「懲役112分」(予告編などを含めると130分程度)などの声もあるが、インターネット上の意見だけで判断するのではなく、自身で映画を視聴したうえで評価してもらいたい。

ということで次の記事では、実際に鑑賞した感想を踏まえ、酷評される理由と評価するべきポイントにスポットを当てていく。

【後編】「どうして観に来てしまったのか…」 酷評続きの細田守最新作「果てしなきスカーレット」。上映開始5分で「激しく後悔」した単純な理由
「映画.com」では2.9という低評価になっている「果てしなきスカーレット」 (筆者撮影)
鑑賞後に数分間滞在したが、パンフレットやグッズを手に取る人はひとりもいなかった(筆者撮影)
前日夜に予約したところ、ほとんど席は埋まっていなかった(筆者撮影)
1人2000円…映画も高くなったものだ。結果として、求められるハードルも上がっているだろう(筆者撮影)
押入れの人 Webライター・マンガ編集者

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おしいれのひと / Oshiire no hito

児童指導員、メーカーのEC担当バックオフィス、Webマーケティング会社のディレクターなどを経てフリーランスのライター・編集者に。累計100万円以上ドラえもんグッズに使った自称ドラえもんガチ勢。

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