《馬のお尻》愛し続けて30年…気づけば競馬記者に 「理想の名尻は筋肉がハート型」と語る彼女、偏愛高じて身についた"勝ち馬見立てる観察眼"

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「女の子にこんなことを言ったら怒られちゃうけど、競走馬にとっては褒め言葉なんですよ」と顔をほころばせる。

「カッコいいお尻を発信して地方競馬を盛り上げたい」

約30年のキャリアのなかで中央競馬と地方競馬を行き来し、今は地方競馬での仕事が刺激的だと語る。「中央競馬は他社が書いたものも含めて資料がたくさんあるんですよ。地方競馬は資料が少ない分、取材しがいがある。自分で足を運んで調べなきゃわからないところが楽しいし、おもしろいですね」

競馬記者としての仕事にどっぷり浸かる毎日だが、こんな悩みもあるそうだ。

「趣味が仕事になっちゃったから、今や無趣味。学生の頃から競馬場でバイトをしたり友達とレースの予想をしたりする生活だったので、競馬以外なにもできなくて。仕事仲間はパパさんバンドを組んでいるそうで、今日はドラムのレッスンがあるからって帰っちゃうんですよ。それを見ると、いいなあって思います。私もなにか違う趣味がほしいです(笑)」

だが、悩みを語るその表情は充実感に満ちている。

「昔は競馬記者になるために出版社で働き、週刊誌に企画を持ち込んで、修業しながらチャンスをうかがっていましたから。競馬記者になれないからと途中で投げ出しちゃってたら、たぶん今の仕事はできていないんですよ」

世の中に競馬ファンや馬好きはたくさんいる。しかしそれを仕事にしようと考え、行動にまで移す人はそれほど多くないだろう。志賀さんは、競馬に対して極端な情熱を抱いたひとりだ。競馬が好きでたまらないという偏愛性が、志賀さんを競馬記者になるという目標へと突き動かした。

偏愛の対象に馬のお尻が加わり、独自の観察眼へと昇華させた。その偏愛的視点から生まれる予想から志賀さんの愛と情熱が伝播し、競馬ファンの間で多くの共感を生んでいるのではないだろうか。

今後の目標について尋ねると「地方競馬のおもしろさをもっと多くの人に伝えること」と返ってきた。その背景には、赤字続きで存続問題に揺れ続けてきた地方競馬の歴史がある。

「ありがたいことに今、地方競馬の売り上げは右肩上がりなんですね。2000年代初頭から苦しい時代が始まり、その間みなさんが努力し続けてきた結果が今ようやく出てきているところなので、その盛り上がりに少しでも貢献できたらなと思ってます。カッコいいお尻の馬を探して記事を書くことも、貢献につながる活動のひとつなのかなと。多くの人に注目してもらえれば、地方競馬っておもしろいと思ってもらえるのではないかと考えています!」

志賀さんの燃えるような視線の先には今日も、鍛え上げられた筋肉をまとう競走馬の姿がある。

スポーツ報知 競馬記者 志賀浩子
今後も、目が釘付けになるほどの“名尻”を持つ競走馬を、愛たっぷりの文章とともに私たちに届け続けてほしい(筆者撮影)
山本ヨウコ フリーライター

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やまもと・ようこ / Yoko Yamamoto

千葉県在住。地域情報誌の編集・ライターとして活動し、2019年に独立。「生き方」や「働き方」をメインテーマに取材活動をおこない、Webや雑誌、企業のオウンドメディアなどで幅広く執筆中。またブックライターとして本づくりにも携わっている。趣味は推し活、人間観察、バレーボール。

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