最後の周は、走行シーンを自動で判定し、車両特性を安心と快適、さらに楽しさを自在に可変させてみせた。すると、ベース車のクルマとしての「ふるまい」とは、明らかに違う。
アステモの狙いとしては、こうした自動可変機能をすぐにユーザーに提供するのではなく、まずは自動車メーカーが開発段階で多様なセッティングを可能し、開発効率を上げることを主眼に置いている。
そのほか、SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)時代の開発スタイルをリードするIoV(インターネット・オブ・ビークル)プラットフォームや、V03で体験したインホイールモーターとレアアースを使わないモーターなどについて、実物を見ながらレクチャーを受けた。
「ティア1」サプライヤーの躍進と課題
こうして終日、アステモの最新技術を見てきたわけだが、やはりクルマ(モビリティ)の未来を考えるためには、「走る・曲がる・止まる」を肌感覚で捉えることが一番の早道だと改めて思った。
モビリティに対する個別技術と、それらの統合技術を持つことがアステモの強みだ。一方、アステモの事業は自動車メーカーを顧客とするB to Bであり、アステモはいわゆる「ティア1」に分類される。
ティア1の大手各社は、自社の持つ個別技術に加えて、同業他社や他業種とのパートナーシップにより、設計・開発から試作までの統合制御システムを構築する傾向が強まっている状況だ。
さらに、いわゆる「AIベンダー」では、欧米のスタートアップの躍進がここ1~2年でめざましい。要するに「どのように際立つか?」「誰とどう組むか?」が、ティア1戦国時代を勝ち抜くテーマなのだ。
今回アステモの新技術を深掘りすることで、自動車産業界全体の課題が浮き彫りになったと感じる。
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