ティア1サプライヤー「アステモ」の底力を見た!4台の試験車両に搭載された最新技術

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主に高齢者や運転に苦手意識がある若者などに向けて開発したもので、ハンドルやブレーキを電気的に制御するバイワイヤ技術を用いて、さりげなくサポートすることが目的だという。

しかし、それだけでは自動車メーカー各社がすでに量産化している自動駐車との違いがわかりにくい。そこで、MDS機能の「なし/弱/強」を実際に体験して比較してみた。

「Honda e」にさまざまなデバイスが追加された「V02」の車内(筆者撮影)

すると、はじめに想像していたのとは感触がちょっと違う。「強制的に制御されている」といった「自動運転感」が、MDS機能「強」であってもあまり感じないのだ。

それにもかかわらず、結果的に「なんだか、いつもより駐車がうまくいく」といった感じがする。

システムのドライバーに対する「強制感」と、ドライバーの「自主的感(マニュアル感)」との「あんばい」がほどよい。これなら、実際の社会で役立ちそうだ。

なにせ近年、商業施設の駐車場などでは、ドライバーの年代を問わず駐車時の事故が後を絶たない。

実は筆者も最近、その当事者(被害者)となっており、このMDS技術が各メーカーで標準装備されることを期待したいと思う。量産開始目標は、2029年とのことだ。

手の平と指で操作する新しい運転の形

2台目は、インホイールモーターによる運動制御と新操作デバイスを装備した「V03」。

インホイールモーター(各輪100kW)を持つ4輪駆動車「V03」(筆者撮影)

以前にも、アステモがメディア向けに公開した初期モデルがあるが、今回は19インチのインホイールモーターの出力を倍増して最大出力100kW、最大トルク1700Nm(今回は800Nmに抑制)となっている。

約1kmの直線路でアクセルを強く踏むと、4輪駆動のV03はグイグイと加速する。とはいえ、出足を強烈にしたセッティングではなく、クルマ全体のバランスを考慮した速さだ。

おもしろいのは、ハンドルに代わる「新操作デバイス」。

右手で操作する「V03」の新操作デバイス(筆者撮影)

ダッシュボード中央下部のシフトレバーのさらに下にある、三角形の角をとって丸めたような装置だ。手の平と指で操作する。

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