ティア1サプライヤー「アステモ」の底力を見た!4台の試験車両に搭載された最新技術

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ステア・バイワイヤ、ブレーキ・バイワイヤ、セミアクティブ・ダンパー、後輪操舵など各種新技術をクロスドメイン総合制御し、ダイナミクス(走る・曲がる・止まる)性能を向上する技術だ。

試験車は、ホンダが中国で発売している「Ye(イエ)・シリーズ」の「イエS7」。駆動方式は後輪駆動をベースとした4輪駆動で、ベース車のモーター出力は前輪が150kW、後輪が200kW。

「V01」は直線路とワインディング路でベースとなる「Ye(イエ)S7」と乗り比べた(筆者撮影)

直線路でのスラロームのほか、欧米自動車メーカーなどが公道テストを行うアメリカ・コネチカット州内とドイツ・ニュルブルクリンク周辺の公道を模した高低差のあるワインディングでベース車と「V01」を乗り比べた。

大型のタッチパネルが装着される「V01」の車内(筆者撮影)

ベース車はクルマ全体の動きに粘りがあり、万人向きの乗り心地/ハンドリング/乗り味を追求したホンダの自信作であることが理解できた。

一方V01は、そうしたベース車の動きと比べて、かなり大きな変化の幅を持たせている印象だ。

3つの指標を0~100%で変えてみる

そのうえで気に入ったのは、交差点などを想定してブレーキで完全停止する際、モーターのトルクを利用してクルマの前後の動き(ピッチング)を制御し、スーッと止まる感覚だ。人がブレーキでコントロールするより、自然な感じがある。

また、ダッシュボード中央のタッチパネルで、「内向き感(コーナーの内側に回り込む度合い)」「軽快感」「一体感」の3つの指標を0~100%で設定できる。

このタッチパネルは「内向き感/軽快感/一体感」を可変する(筆者撮影)

すべてを0%にセットすると、乗り心地は柔らかく、ハンドル操作に対するクルマの動きは特に操作角度が少ないときにダル(緩く)になる。一般的にコンフォートと呼ばれるような味付けを極端にした印象だ。

次にすべてを100%にしてみると、いわゆるスポーツ系のキビキビした走りとなったが、乗り心地は少し悪くなる。これも極端にスポーティにしたという印象で、全項目を50%にすると「ほど良い」乗り味になった。

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