日米共同声明、中国の軍事的台頭背景に日米軍事態勢の再構築へ

野田佳彦首相は4月30日、ワシントンでオバマ米国大統領と会談、共同声明を発表した。民主党政権としては初めて、実に3年ぶりとなる公式の日米首脳会談だった。日米関係が鳩山由紀夫元首相の普天間問題での迷走で大きく傷つけられたことは周知のことだが、今回の首脳会談で修復に向かうことになる。

主たるテーマは「同盟の再構築」。声明文では、日米同盟を「アジア太平洋地域における平和、安全保障、安定の礎」と位置づけ、「日本と米国は、アジア太平洋地域と世界の平和、繁栄、安全保障を推進するために、あらゆる能力を駆使することにより、我々の役割と責任を果たすことを誓う」と宣言している。

冷戦終結後、一時揺らいだ日米同盟は、1996年の日米安保共同宣言、2006年の日米共同文書によって同盟を再定義し、陸上自衛隊のイラク派遣などグローバルな問題までその対象を広げてきた。この動きはNATO同盟の変貌と軌を一にするものだったが、今回の共同声明はこうした流れへの“復帰”といえる。

第一撃からのリスク分散

日米関係のとげとなっている普天間問題を切り離してでも、日米が同盟の再構築に動いた背景には、中国の軍事的台頭がある。かつて90年代に中国脅威論が叫ばれた頃は、中国軍はまだ目に見える脅威ではなかった。むしろ、韓国、台湾のほうが軍事力近代化では先行していた。しかし、00年代に入ると、中国の継続的な国防費増大は戦闘機、艦船などの近代化という形となり、それに伴って中国軍は自信を深めているようだ。南シナ海への進出や尖閣問題でも、中国の「核心的利益」という表現を使うなど強気の姿勢が目立ってきている。

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