欧州各国の同床異夢、広がる「脱緊縮」策

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新大統領でも変わらない?

フランスの17年ぶりの社会党政権誕生は“敵失”によって実現した面がある。サルコジ大統領が選挙戦で掲げたスローガンは「LA FRANCE FORTE(強いフランス)」。が、ネット上にはこのスローガンのパロディが氾濫した。「LA FRANCE MORTE(死んだフランス)」、「LA FRANCE FLOTTE(漂流するフランス)」……。そこには2007年5月の就任以来、景気回復に有効な手立てを講じることができなかった同大統領に対する国民のやるせない思いが色濃く映し出される。

閉塞感が漂うフランス経済。とりわけ雇用環境は厳しい。07年4~6月の失業率は8・1%だったが、11年10~12月期には9・4%まで上昇。若年層の就職難は極めて深刻で、同10~12月期の25歳未満の失業率は22・4%に達した。

こうした中、今回若年層から圧倒的な支持を得たのが国民戦線の党首、ル・ペン氏である。4月22日の第1回投票で事前予想を上回る票を獲得し、オランド、サルコジ両氏に次いで3位に入った。ル・ペン氏が公約に掲げたのは移民排斥やユーロ離脱、通貨フランの復活など極めて右寄りな政策だ。5月6日の第2回投票を前に、ル・ペン氏はオランド、サルコジ両候補のどちらにも投票しない考えを示したことで、同氏支持者の多くは「白票」を投じたもようだ。その数は200万票余り。サルコジ氏がすべて獲得できれば、勝利を収められた計算だ。


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