ポイ捨て、放置、ルール無視の店舗のごみ出し・・・ 《歌舞伎町》の"ごみ山"酷すぎる惨状とそれを片付ける人の"胸中"

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ごみがごみを呼ばなくしたり、ネズミによる被害をなくすには、各店舗が決められた収集時間前の排出を徹底してなくし、排出から収集までの時間を限りなく短くしていくしかない。ごみを日中に排出すると翌朝の収集まで放置されるようになるため、店舗には排出時間の徹底を求めていく。

不適正排出者を特定している様子(筆者撮影)
事業系ごみ減量係が迅速に排出者に連絡する様子(筆者撮影)

一般家庭ごみや事業系ごみの集積所でない路上にごみが排出され、カラスかネズミが荒らした現場を発見した際には、メンバー全員で手分けしてごみの排出者の特定を試み、放置されたごみを回収していく。

ごみ排出のルールを守らない店舗

通常は、現場でごみに対応するのは清掃事務所の技能労務職員の業務であり、事務職の職員がごみ袋の破袋調査や散乱したごみを集める作業は行わない。しかし、「歌舞伎町の美化」という共通の目的のために職種や係の枠組みをいったん取っ払い、現場で協力して改善していく状況は、模範的な行政のあり方の具現化であると言える。対症療法的ではあるが、このような取り組みが今後も続き、歌舞伎町の美化が推進されるのを期待する。

集積所でない場所に不法投棄されたごみ(筆者撮影)
全員で片付けと排出者の特定を試みる様子(筆者撮影)

一方で、このような行政側の対応が必要となるのも、ごみ排出のルールを守らず四六時中排出する事業者(店舗など)の排出行為が続くからである。最近は外国人がオーナーとなる店舗が増えており、破袋調査によってそれらの店舗がルールを守らずに排出するごみが多くなっている。また、飲酒で気が大きくなり自らの理性を失うのだろうか、通行人のごみ山へのポイ捨て行為も後を絶たない。

部署間の連携により歌舞伎町の美化に貢献している新宿区の皆さん。左から監察指導係戸田氏、事業系ごみ減量係安藤氏、まち美化係大場氏、歌舞伎町清掃センター兵藤氏(筆者撮影)

歓楽街は人々が社会生活を進めるうえで気分転換の場所でもある。そこには、衛生的な環境で心地よく過ごしてほしいと願い歌舞伎町の美化に尽力している人たちがいる。歌舞伎町で遊興する際や、またそこで事業を展開している業者の方々は、歌舞伎町の美化に尽力している人たちがいることに思考を巡らせてほしい。

藤井 誠一郎 立教大学コミュニティ福祉学部教授

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ふじい せいいちろう / Seiichiro Fujii

1970年生まれ。同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程修了。博士(政策科学)。

同志社大学総合政策科学研究科嘱託講師、大東文化大学法学部准教授などを経て現職。専門は地方自治、行政学、行政苦情救済。

著書に『ごみ収集という仕事――清掃車に乗って考えた地方自治』(コモンズ)『ごみ収集とまちづくり――清掃の現場から考える地方自治』 (朝日選書)『ごみ収集の知られざる世界』(ちくま新書)がある。

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