ポイ捨て、放置、ルール無視の店舗のごみ出し・・・ 《歌舞伎町》の"ごみ山"酷すぎる惨状とそれを片付ける人の"胸中"

✎ 1〜 ✎ 36 ✎ 37 ✎ 38 ✎ 39
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

行政側としては、ごみ山の発生が確認できたのであれば、すぐにでも撤去して街の美化を保ちたいところだが、このごみ山は暫く放置されていた。というのは、このごみ山付近には居住者がおらず、清掃センターにはごみ集積所として登録されていないため、清掃センターの業務管轄外となる。

一方、区の道路に投棄されているので交通対策課の所管となるが、この部署はごみの収集の人員、機材、ノウハウを擁していない。そのため、清掃センターでは管轄外、交通対策課では対応困難となり、部署間の連携がうまくいっていなかったこともあり、この山は日々大きくなっていく状況であった。

ネズミやゴキブリ…悪臭、見るに堪えない光景

当時、炎天下で生ごみが発酵し、かなりの異臭が周辺に漂っていた。また、そこにはネズミやゴキブリが生息し、周辺の飲食店街にとって極めて不衛生な状況であり、見るに堪えがたかった。

これ以上の環境悪化は見過ごせない状況となったため、危機管理担当部、みどり土木部、環境清掃部ごみ減量リサイクル課、新宿清掃事務所が協力して、1時間程度の作業によりごみ山を取りきった。

関係部署でごみの収集・整理を開始、2023年8月(筆者撮影)
片付いたものの臭気は残る、2023年8月(筆者撮影)

どの組織でも同じだが、部署ごとに業務分掌が定められており、その範囲内で業務を遂行している。しかし、組織間の壁があると、壁と壁の間に発生する問題への対応が放置されるときもある。いわゆる「お役所対応」と呼ばれる扱いである。

新宿区ではそのようなお役所対応を改善しようと、各部署の連携による不法投棄対策を始めた。家庭ごみを担当する清掃センターの「ふれあい指導班」、事業系ごみを担当する「事業系ごみ減量係」、まちの美化を担当する「まち美化係」、道路を所管する「監察指導係」の担当者が一堂に会し、毎週火曜日の昼から歌舞伎町を巡回するようにした。

これは、係同士の連携により「担当外」を減らし、迅速に対応していく試みである。例えば、「ふれあい指導班」のみで歌舞伎町を巡回して不適正な事業系ごみを発見しても、担当の「事業系ごみ減量係」に申し伝え、後日指導するというようにタイムラグが生じる。

そこで一堂に会して「綺麗な歌舞伎町にする」という目的を掲げて行動することで、組織の業務分掌の壁を乗り越え、自らの部署では対応しかねる部分を補って臨機応変な対応を可能にし、組織的なパフォーマンスを向上させていく取り組みとしている。

次ページ集積所にポイ捨て、なくす策
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事