「大きすぎて売れない」元工場や問屋の建物…。"お荷物"だった廃墟が地域の希望に変わるとき。《質が良くて・しっかり》地方の空き家を再生

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それをなんとかして欲しいと連絡を受けたのは横浜にある不動産会社、株式会社リライトの田中裕治さん。田中さんは本業の合間に、地元の不動産会社や空き家バンクなどに相談するなど手を尽くしても動かない空き家の解決に実費のみのボランティアで取り組んでおり、そこでこの物件と出会った。

「所有者はかなり困窮しており、原因はその不動産。そこで仕方なく、そのままの状態で買い取り、未登記建物についてはすぐに関係者と協議、贈与契約の作成・締結をして整理しました。といってもそのままにしておくわけにもいかないので市役所に相談に行きました」(田中さん)

田中さん
横浜市で不動産業を営む田中さん。打つ手がない空き家をなんとかしようとボランティアで取り組んできた(写真:筆者撮影)

よく空き家を行政に寄付したいという人がいるが、これは現状ほぼできない。タダでもらっても、借りても不動産の維持管理にはお金がかかるため、空き家が世にあふれている今、行政が空き家を受け取ることはない。

田中さんはまちのためになるなら無料で貸したいと提案したが、京丹後市はそれに対して地元の移住支援団体・一般社団法人「丹後暮らし探求舎」を紹介。移住希望者の中に使いたいという人がいるかもしれない、ということだった。

丹後暮らし探究舎
空き家、移住に関する活動を行う一般社団法人丹後暮らし探究舎。オフィスの隣にカフェを運営、人、情報が集まる場になっている。この場所も空き家になっていた元材木店の倉庫(写真:筆者撮影)

お荷物だった廃墟が移住者を生むシェアハウスに

そして幸いにして使いたいという人が現れた。地元で株式会社U設計室を営む建築士・大垣優太さんから移住者を迎え入れるシェアハウス、またリノベーションのモデルルームともなる場所としてその建物を使いたいという提案があったのである。

改装前の外観。もともとは織物問屋の建物だった(写真:U設計室提供)
改装前の室内
改装前の室内。それほど状態は悪くはなかったそうだが、それでも雨漏りがあり、床はぶかぶかになっていたそうだ(写真:U設計室提供)

「京丹後市に移住したい人が第一歩を踏み出せる場をという思いに共感、固定資産税は払っていただくものの、5年間、家賃を貰わない使用貸借契約を締結、運用してもらうことになりました。

私としてはあの場所でシェアハウスのニーズがあるのかを見てみたかったという興味もありました。あそこでニーズがあるなら、日本全国にある空き家はどこででも使えるのではないかと思ったからです」(田中さん)

時期はちょうどコロナ禍中。大垣さんはいわゆるゼロゼロ融資を利用、足りない分はDIYするなどで空き家を改修、この5年間、全5室の「シェアハウス益実荘」として運用してきた。

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