「『クマを殺すな!』が、いまや『早く駆除しろ』に」 "過去最悪の死亡者数"に「クマ餌付けのフェイク動画」の蔓延…あまりに深刻な実態

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では1年前はどうだったのか。

2024年12月6日に、『「秋田のクマ駆除」に"ブチ切れる人"なぜ増えた? 「クマを殺すな」と殺到する抗議に自治体も困惑』という記事をアップしました。これはスーパーに侵入したクマの駆除が「命の重さ」論争になったことを書いたものですが、わずか1年弱で人間の命が危ぶまれるように変わったことを実感させられます。

現在は一部の愛護家がネット上で批判しているものの、その声は昨年ほど広がっていません。

全国各地で駆除が進められているためなのか、「親子クマの駆除」に絞った抗議などが見られますが、それでも昨年ほどクマの脅威が少ないエリアに住む人々の支持を得られていない感があります。

一方、自治体やハンターの中には、現実の被害対応やクマ対策を優先させなければいけないため、苦情を相手にしている時間はないというシビアな声も見られました。

ピンチを前向きにとらえる動きも

これらの変化は、それほどの緊急事態ということにほかなりません。クマの脅威を感じている人々は今、どんな心境なのか。それが知りたくて以前、取材したことのある東北や信州の人々に実情を聞いてみました。

岩手県の人は「最近は盛岡駅の近くですら怖い」「同僚の家族で『クマを見た』という人がいた」、秋田県の人は「特に朝が危ないらしいので子どもの登校に付き添っている」「外出は車だけにしている」、福島県の人は「毎日、玄関のドアを開けるときは警戒している」「山のふもとに住む高齢の母親が心配」、長野県の人は「紅葉のイベントが中止になった」「外出時はクマスプレーと電子ホイッスルを持っていく」などと語っていました。

地元局のニュースでは連日クマ問題が扱われ、学校や会社では注意喚起と対策指導が行われているようです。

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