「『クマを殺すな!』が、いまや『早く駆除しろ』に」 "過去最悪の死亡者数"に「クマ餌付けのフェイク動画」の蔓延…あまりに深刻な実態
それら危機感を訴える声の中で1つ驚かされたのは、現在のピンチを前向きにとらえようとしている人もいること。
あくまで筆者が個人的に取材したレベルではあるものの、前述した「ガバメントハンター(クマの駆除・捕獲に必要な免許・スキルを持つ自治体職員)になれたら」と考えはじめた人もいるようなのです。
その主な理由は「地元を助けたい」という切なる思いと、「就業と金銭面」という現実面での2つ。いずれにしてもまずは「命の危機にさらされ、外出もままならないなど、生活が脅かされている地元の人々を助けたい」という気持ちがあるのは確かでしょう。
全国の自治体でガバメントハンター制度がスタートすれば、猟友会が行っている現場確認、行政への報告、対策の実行などにかかる時間が短縮されるほか、駆除数に応じた報酬ではなく公務員として毎月安定した給料を得られるなどのメリットがあります。
ちなみに「狩猟免許の取得者数はここ10年間減っておらず、むしろ20代の取得者は増えている」というデータもあるとのこと。しかし、猟友会の会員数は四半世紀で半数近くに激減するなど、たびたびハンター不足が指摘されていました。
ハンターが自治体の職員になるもよし、職員が狩猟免許を取得するもよし。どちらにしても、命にかかわる仕事だけに国からの補助も含め、十分な給料を提示して、モチベーションの高い人材を引き寄せてほしいところです。
「クマに餌付け」フェイク動画の罪深さ
そして最後にもう1つふれておかなければいけないのは、新たな問題として指摘されている「クマのフェイク動画」について。
このところTikTokやXなどに、生成AIなどでつくられたクマのフェイク動画が次々に投稿され、なかには100万回以上再生されたものもあるようです。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら