「『クマを殺すな!』が、いまや『早く駆除しろ』に」 "過去最悪の死亡者数"に「クマ餌付けのフェイク動画」の蔓延…あまりに深刻な実態
環境省の発表では、クマによる死亡事故は全国12件となり過去最多。負傷者も多く、飼い犬やニワトリなども被害に遭っているほか、市街地での目撃情報は増える一方であり、農業や観光の経済的な損失も増え続けています。
1年前は「クマを殺すな!」論争が…
これらの事態を受けて政府はクマ対策の関係閣僚会議を行い、木原稔官房長官が「国民の安全安心をおびやかす深刻な事態です。関係省庁が緊密に連携し、実効性の高い対策を着実にかつ段階的に実施していただくように」などとコメント。
環境省は緊急銃猟の円滑な運用と「ガバメントハンター(駆除・捕獲に必要な免許・スキルを持つ自治体職員など)」の確保・育成を訴え、防衛省は自衛隊が訓練をはじめていることを報告し、文科省は学校における安全対策、農水省は農作物や人の保護、国交省は河川からの侵入阻止などを担当すると明かされました。
つまり自治体レベルの対応では限界であり、国レベルの対応が必要ということなのでしょう。
シリアスな閣僚会議の様子は、まるで映画のワンシーンを思わせるようなものがありましたが、相手は怪獣や宇宙人ではなく現実のクマ。木原官房長官は「警察はライフル銃を使用したクマの駆除を早急に対応していく」などとも語っていましたが、はたしてどんなクマ対策が実行されていくのか。
緊急対応の法制化や補正予算の成立から、電気柵や箱わななどの設置、自動検知・通報するAIカメラの設置、目撃情報や遭遇時対応のアプリ浸透。
また、長期的には、個体数の管理、クマが下山しづらい緩衝地帯の設置、ガバメントハンターや捕獲後に処理をする人材の確保、実がエサとなる木の植樹などがあげられていますが、被害の大きさと全国的な広がりを見る限り、長い道のりになることは間違いないなさそうです。


















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