高市首相は片山さつき財務大臣への指示書で、「国家課題に計画的に取り組めるよう、関係大臣と協力して、財政の単年度主義の弊害是正に取り組む」と明記した。「単年度主義の是正」は岸田政権でも掲げられていたが、高市首相の場合、これをPB目標の見直しと結びつけている可能性は高い。所信表明演説でも財政運営に言及したものの、PB目標には触れなかった。
財政目標は例年6月ごろの「骨太の方針」で明示されるため、実際の見直しは先になる。現時点でその可能性は高まっているといえよう。
次の注目点は、経済対策・補正予算の規模と財源である。高市政権にとって初の予算編成となり、財政運営に対する基本姿勢を示す試金石となる。
現時点で見えている政策メニューは、防衛費の増額、ガソリン税の暫定税率廃止、電気・ガス料金の補助、診療・介護報酬など公的価格の引き上げ(過去のインフレ分の調整)、地方への交付金の拡充などだ。
このほか、高市氏が掲げる「成長投資」や「危機管理投資」に関連する成長分野・インフラ・経済安全保障分野への政府投資、民間投資支援策も盛り込まれる見込みである。
補正13兆円程度は想定内、20兆円超ならサプライズ
経済対策における一つ目の焦点は補正予算の規模感である。



















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