衝撃の中国映画『盲山』が暴く、農村女性の「教育を受けられない」現実 《都市と地方で教育格差が広がる》 一人っ子政策の残影も…
筆者の在日中国人の知人女性は内陸部の出身で、男兄弟は高校まで進学させてもらえたが、女性(妹)は中学までしか行かせてもらえず、中学卒業後に出稼ぎに行った。
その女性は数年間工場で働いたあと、一念発起して大学受験資格を得て、自力で中国の大学を卒業し、その後来日した。この女性のような例はかなり稀だ。農村では中学卒業と同時に同じ農村か、近隣の農村の男性と結婚させられることがよくある。
中国で農村女性の進学を切り開いた1人の教育者
だが、農村の女性に進学の道を開くため、尽力した人がいる。雲南省麗江市にある麗江華坪女子高級中学(高校)の張桂梅校長だ。同校は08年、全国初となる学費無料の公立女子高校として寄付などで設立された。
張校長は「貧しさゆえに人生の選択肢が限られている女性の運命を変えたい」との強い熱意で、農村の女性の各家庭を訪問。「学費は要らないので勉強させてやってほしい」と保護者を説得し、女性の進学を後押しした。
同校から全国の大学へと巣立っていった女性は1800人以上に上る。このような例もあることはあるが、中国の教育格差、男女格差は戸籍制度や都市と地方の経済格差が大きく影響しており、一朝一夕に改善すことは難しい。
中国は建国後、「天の半分は女性が支える」というスローガンを掲げ、都市では女性の活躍が目覚ましくなってきている。だが、真の意味での男女平等はまだほど遠いといえる。
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